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小学校の火災 避難訓練の在り方検証を【社説】

東京都北区の区立滝野川第三小学校(児童数約340人)で発生した火災では、学校の防火対策の在り方が改めて問われている。
校舎4階から出火した滝野川第三小学校=19日午後、東京都北区

 東京都北区の区立滝野川第三小学校(児童数約340人)で発生した火災では、学校の防火対策の在り方が改めて問われている。

 火災の原因究明を急ぐとともに、全国の学校でも防火設備の点検や避難訓練などを強化する必要がある。

 ストーブ近くに洗濯物

 火元は校舎4階の音楽準備室で、約200平方㍍を焼き、骨折したり煙を吸ったりした計11人が病院に搬送された。音楽室で当時、授業を受けていた5年生の児童らは、近くの防火扉が閉まり廊下に煙が充満していたため、窓の外にある幅約80㌢のひさしに避難して救助を待ったという。

 ただ、ひさしには柵がないため、「落ちそうで怖かった」という児童もいた。死者が出なかったのはよかったが、状況によっては大惨事になってもおかしくなかった。

 火災を巡っては、40代の女性教員が音楽準備室で「洗濯物を乾かしていた」という趣旨の説明をしているという。火元付近には焼けた電気ストーブと複数のサーキュレーターのほか、差し込み口が複数あるテーブルタップがあった。

 電気ストーブの周辺に洗濯物などの可燃物を置けば、火災を引き起こす恐れがある。教員が不注意によって児童の命を危険にさらしたのであれば、その責任は極めて重大だ。警察は失火容疑で火災との因果関係を捜査している。

 同校では月1回、避難訓練を行っていたが、音楽室や準備室が火元になるケースは想定していなかったという。また、音楽室には筒状の袋の中を滑り降りる救助袋があった。しかし今回の火災ではうまく使えず、煙の勢いが増してきたために活用できなかった。避難訓練の際に救助袋を用いていない学校は多いとみられる。

 全ての学校で訓練の在り方が適切か検証する必要があるだろう。松本洋平文部科学相は「全国の教育委員会などに対し、学校施設の安全管理体制の点検を速やかに求めていきたい」としている。

 近年はモバイルバッテリーによる発火事故も相次ぐ。2023年度に起きた事故は8543件に上る。昨年10月下旬に民間会社が行った調査では、モバイルバッテリーの正しい処分方法について全体の6割近くが「知らない」と回答した。自治体指定の回収拠点に持ち込むなどの処分方法を学校でも教員に周知徹底しなければならない。

 何よりも教員の安全意識を向上させることが欠かせない。学校は児童・生徒の能力や人格を育てる場であるが、その前提として教員は子供たちの命や安全を守る立場にあることを忘れるべきではあるまい。教員に対する安全管理研修の充実も求められよう。

 災害への備え強化を

 今回の火災は人災の側面が大きいとみられるが、首都直下地震や南海トラフ地震などの大規模自然災害は、いつ発生してもおかしくない。

 学校では避難訓練などを通じて、火災はもちろん、地震や津波といった他の災害への備えも強化する必要がある。

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