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子供のSNS 教育的観点から規制強化を【社説】

 英政府は今月、16歳未満のSNS利用を禁止する方針を明らかにした。

 子供のSNS規制は欧州や東南アジアで加速している。日本政府も教育的観点から規制強化を積極的に検討すべきだ。

 英首相が全面禁止訴え

 英政府が規制の対象とするのはTikTok、インスタグラム、X(旧ツイッター)、フェイスブックなど主要なSNS。スターマー英首相は記者会見で、SNSがいじめを助長し、宿題や読書、適切な時間の就寝を妨げていると指摘するとともに「SNSが子供たちを不幸にしている」「全面禁止こそが正しい選択だ」と訴えた。

 方針発表に先立って、英政府は10代の若者を対象にSNS規制の実証実験を実施し、規制した場合の影響を分析。パブリックコメントも募集した。世論調査でも規制を求める声が強い。英政府は規制法を2027年春をめどに施行したい考えだ。

 子供のSNS規制では、昨年12月にオーストラリアが世界で初めて16歳未満の利用を禁止する法律を施行した。SNSを運用する企業が違反した場合、最大で4950万豪㌦(約51億円)の罰金を科すという厳しいものだ。

 規制の動きは欧州各国に広がり、フランス国民議会(下院)でも15歳未満の利用を禁止する法案が可決され、新学期が始まる9月の施行へ向け手続きが進められている。

 マクロン仏大統領は「子供のメンタルヘルスを、利益を得ることだけを目的とする人々に委ねるわけにはいかない」と強調している。

 アジアではインドネシアが今年3月、マレーシアも6月から16歳未満の利用を禁止した。

 各国が子供のSNS規制に乗り出したのは、いじめや犯罪に巻き込まれることを防ぐだけでなく、SNS利用が子供の心身の健全な成長の妨げとなっていると考えるためだ。欧州首脳の言葉に、大手プラットフォーム企業への反感が滲(にじ)み出ているのはそのためである。

 日本ではSNSを介して子供が犯罪に巻き込まれるケースが増えている。25年の1年間にSNSで知り合った相手による性犯罪の被害などに遭った小学生は24年比約2割増となった。

 東京都が今年2月に発表した調査では、小中高生のスマートフォンの主な使用目的は66・3%がSNSで、小学校高学年でも55・3%に上る。

 総務省の有識者会議は、SNS利用の年齢確認について事業者による厳格化の検討を求める報告書案を了承したが、一律の年齢制限については「望ましくない」としている。

 一方、こども家庭庁はSNS事業者に子供の保護対策を義務付ける検討に入り、27年の通常国会で青少年インターネット環境整備法改正案の提出を目指している。

 文科省も本格的調査を

 SNSの利用は子供の健全な成長に関わる問題であるにもかかわらず、教育的観点からの検討が不足している。文部科学省もSNSの教育や健康への影響について本格的な実態調査を行うなど、もっと積極的に関わる必要がある。

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