トップオピニオン社説G7サミット 日本は欧米の橋渡し役を【社説】

G7サミット 日本は欧米の橋渡し役を【社説】

G7サミットで招待国も含めた討議に臨む各国の首脳ら=16日、フランス東部エビアン(代表撮影・時事)
G7サミットで招待国も含めた討議に臨む各国の首脳ら=16日、フランス東部エビアン(代表撮影・時事)

 フランス東部エビアンで、先進7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれた。米国とイランが戦闘停止で合意した直後の開催となり、イラン情勢を巡る中東問題が最大のテーマとなった。ウクライナの和平や経済安全保障、人工知能(AI)の在り方なども話し合われた。

 高市首相が初めて参加

 討議最終日には地域情勢に関する成果文書が発表され、中東問題では、米国とイランの「覚書」合意を歓迎し、ホルムズ海峡の開放を支援していく方針を明記。船舶の安全確保に向けた英仏主導の多国間枠組みの重要性も確認された。ウクライナ情勢では、ウクライナへの「揺るぎない支援」を表明。軍事支援の拡大と対露制裁強化の方針も盛り込まれた。

 トランプ政権の登場で米国と他の参加国の意見の隔たりが目立ち、G7の機能不全も指摘されている。今回のサミットでも、対イラン軍事作戦を巡り悪化した欧米の関係を修復し、G7の結束を示せるかどうかが大きな焦点であった。

 そのため議長国フランスのマクロン大統領は、トランプ大統領の好まぬテーマを主議題から外し、成果文書では米国の取り組みを肯定する表現を用いるなど対米配慮に努めた。さらに意見の対立を避けるため、昨年に続き包括的な首脳宣言の取りまとめを見送り、分野別の共同文書だけが採択されたことから、表面上結束は保たれた。だが米欧の溝が完全に埋まるまでには至らず、今後に課題を残した。

 サミット初参加の高市早苗首相は、重要鉱物のサプライチェーン(供給網)強靱(きょうじん)化などについて積極的に発言。中国の輸出規制に対抗するため、日本が各国を支援し、レアアース(希土類)を含む重要鉱物をG7共同で備蓄する構想を提唱したほか、エネルギー安全保障の強化に向け、不当な輸出制限への反対や石油備蓄強化の支援、生産国と消費国の協力を柱とする3項目の提案を行うなど議論をリードし、日本の提案はいずれも成果文書に盛り込まれた。

 また首相は、中国が覇権主義的行動を強めるインド太平洋地域の情勢と日本の立場を力説。これを受け、G7が連携してこの問題に取り組むことで一致した。成果文書も中国を念頭に「法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋」の重要性を強調。東シナ海と南シナ海、それに台湾海峡で、力による現状変更の試みに反対する立場が表明された。

 ウクライナや中東情勢に関心が集まり、中国への対応が疎(おろそ)かになりかねない状況の中、中国の脅威の重大性とそれに各国が連携して取り組む必要性を強調し、理解と支持を勝ち得たことは高市外交の成果と言える。

 海峡に自衛隊派遣を

 さらに首相は中東情勢に関して、米イランの戦闘終結の最終合意実現のため日本は外交努力を継続すると述べ、シーレーン(海上交通路)の安全確保の重要性にも触れた。日本はイランとの友好関係を生かし戦闘の早期終結に協力するとともに、欧米の橋渡し役を担うべく、欧州各国と連携し自衛隊の派遣などホルムズ海峡の安全確保の活動に参加すべきである。

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