
皇族数の確保策を巡る「立法府の総意」が取りまとめられ、高市早苗首相に報告された。政府は皇室典範改正に着手するが、「総意」には曖昧な点も残る。あくまでわが国の歴史と伝統を踏まえ、男系男子の皇統維持を確実にすることが肝要だ。
合意優先で曖昧な点も
「総意」はまず「悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」と明記した。改めて秋篠宮皇嗣殿下、悠仁さまへの男系継承の流れを確認した意味は大きい。一部の人々やメディアから陰に陽に愛子殿下の即位を望む声が上がっているが、無責任な発言は慎むべきである。
「総意」のポイントは①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する②旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える――この2案を柱に政府に法整備を要請している。
①案では、女性皇族の配偶者とその子の身分には言及されなかった。衆参両院の合意を優先するために曖昧にされた。女性皇族が非皇族の男性と結婚し、その配偶者や子が皇族の資格を持てば、男系の皇統断絶につながり、将来に禍根を残すことになりかねない。皇室典範改正案では、皇族資格は女性皇族のみと明記すべきである。
女性皇族と夫、子の社会的な立場が異なるのはどうかという議論もある。しかし、日本人は歴史的に公私のけじめを訓練されてきた。社会的立場は違うが私人としては家族という使い分けは十分可能なはずである。
養子案については、1947年10月に皇籍を離脱した旧11宮家を対象にすると明記。皇室に入った養子は「皇位継承資格を持たない」と記し、養子の年齢、養親の範囲、具体的な手続きについて「慎重に制度設計を行う」よう政府に促した。
森英介衆院議長が養子案に関して「養子となった男子に男の子が生まれれば皇位継承権を持つ」と語った。これに対し中道改革連合、立憲民主、公明の3党が総意の逸脱だと反発したが、これは現行皇室典範に基づく当然の結論を述べたにすぎない。皇室典範改正に当たってはこの点も明確にすべきである。
旧宮家男子の養子縁組案は、皇族数確保策の重要な柱であるが、男系の皇統を守る目的にもかなう。皇族数の減少で公務などの負担が増えていることは問題だが、それ以上に男系継承維持の環境を整え、皇族方の心理面を含むさまざまな負担を少しでも軽減して差し上げる必要がある。悠仁さまが位に就かれた時、他に皇位継承資格を持つ男性皇族が存在することの意味は極めて大きい。
今国会で皇室典範改正を
高市首相は「早急に法案策定に取りかかり、できるだけ速やかに骨子案を示せるよう取り組む」と述べた。今国会中の皇室典範改正案成立を目指す。皇室問題の政治争点化はできるだけ避けたい。しかし、これまでの野党の反対には、皇室の未来を思うためではなく、社会の変化を口実に日本の伝統を破壊することが目的ではないかと疑われるものも少なくない。政府はこのような議論に引きずられず、細心の注意と強い決意によって今国会で改正を実現してほしい。






