トップオピニオン社説「酷暑日」決定 熱中症の被害減らしたい【社説】

「酷暑日」決定 熱中症の被害減らしたい【社説】

最高気温40度以上の日は「酷暑日」(気象庁4月17日発表)
最高気温40度以上の日は「酷暑日」(気象庁4月17日発表)

 気象庁は4月、気象情報などで使う最高気温40度以上の日の名称を「酷暑日」に決めた。

 今年の夏も平均気温が全国的に平年を上回ると予想されており、気象庁は酷暑日や猛暑日(35度以上)への備えを呼び掛けている。名称決定を熱中症の被害減少につなげたい。

 最高気温40度以上の名称

 気象庁は2~3月、名称の13候補についてホームページ上で一般アンケート調査を行った。この結果、酷暑日は2位「超猛暑日」(約6万5900票)の3倍に上る約20万3000票を集めた。酷暑日は、一般財団法人日本気象協会が2022年に独自に命名して使っている。社会的になじみがあることからも選定は順当だ。

 名称が定められたのは、長期的な温暖化で40度以上の日が増え、熱中症の被害も大きくなると予想されるためだ。昨年夏も群馬県伊勢崎市で国内史上最高の41・8度を観測するなど、全国各地で記録的な猛暑に見舞われた。

 気象庁によると、統計開始の1872年以降、国内では40度以上を計108回観測し、このうち41回が2023~25年の3年間に集中している。猛暑日が定められたのは07年であり、それから20年足らずで40度以上の名称を決めることになったのは、温暖化が急速に進んでいることを示すものだと言えよう。気象庁は酷暑日の名称を効果的に運用し、国民に危険な暑さへの警戒を促す必要がある。

 昨年は、熱中症のため5~9月に救急搬送された人数が全国で10万510人に上り、統計を取り始めた08年以降で最多を更新した。半数以上が65歳以上の高齢者で、発生場所別では自宅など「住居」が最も多かった。

 今年もゴールデンウイークの時点で既に真夏日(30度以上)を観測した地点がある。夏も命に関わる暑さに見舞われることが予想されている。運動や入浴で汗をかき、体を暑さに慣れさせるなど今から熱中症予防を心掛けたい。暑いときはエアコンを活用し、水分や塩分を小まめに補給してほしい。栄養バランスの取れた食事の摂取や、適切な睡眠時間の確保などの健康的な生活習慣は熱中症にも有効だ。

 一方、政府は温暖化対策として50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を掲げ、脱炭素化を進めている。目標達成には、発電時に温室ガスを排出しない原発の活用が欠かせない。

 昨年2月に閣議決定した「エネルギー基本計画」では、原発を「最大限活用する」方針を明記した。従来の原発よりも安全性の高い「革新軽水炉」や、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留技術などの開発を着実に進めるべきだ。

 温暖化抑制に日本技術を

 季節や天候に左右されず、昼夜を問わず安定的に発電できる原発の活用を前提に、再生可能エネルギーも効果的に利用する必要がある。太陽光発電に関しては、環境破壊につながる恐れのある従来の太陽光パネルではなく、環境負荷の小さいペロブスカイト太陽電池を使用することが望ましい。

 日本発の技術を全世界の温暖化抑制に生かしたい。

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