きょうは「こどもの日」。少子化が進む中、子供政策の根本が問われている。少子化になぜ歯止めがかからないのか、そして子供たちにとって真の福祉とは何かを改めて考える必要があるのではないか。
若者の結婚願望薄れる
少子化の流れを変えようと、2023年、岸田文雄政権は「こども未来戦略」を策定。子育て支援策として、総額3・6兆円規模の「加速化プラン」を掲げた。岸田氏はこれを「次元の異なる少子化対策」と称した。しかし、その基本は児童手当の拡充など財政規模を大きくしただけで、発想は従来とほとんど変わらない。
少子化加速の要因としては晩婚化や非婚化が挙げられ、背景に価値観の多様化や経済的な余裕のなさがあると指摘される。若者世代の所得の安定化は急務だ。だが歯止めをかけるだけでなく「反転」させるには、これまでの日本社会の流れを大きく変えなければ不可能ではないか。
その流れとは、家庭より個人という価値観、地方から都市への人口の移動などだ。都市への人の流れも、根底には個人主義に傾きやすい都市型のライフスタイル、価値観がある。
価値観の問題は、もちろん個人の考え方の問題だ。しかし戦後、国家や家族を個人の自由を抑圧する存在として否定的に捉えてきた左翼イデオロギーによって、伝統的な価値観が否定されてきた事実がある。そういう点で少子化問題の克服は、伝統的家族の解体によって毀損(きそん)された価値観を立て直すことから始めなければならない。
今後、少子化をさらに進めると懸念されるのは若い世代の結婚への願望が薄れつつあることだ。デジタルネイティブ、SNSネイティブのいわゆるZ世代の約6割が、事実婚を含めて必ずしも結婚しなくてもよいと考えているというアンケート結果が出ている。
子供の福祉という問題でも、戦後は専ら子供の人権という観点から進められてきた。家族や親の子育て力が弱くなってきた現状では、子供の福祉や教育は親任せにできないことも確かだ。そういう意味では、社会がその足りない分を補う必要がある。「子ども食堂」などがその役割を果たしてはきたが、24年度には全国の公立中学の数を上回る1万867カ所にまで増えたことは、必ずしも美談として歓迎できるものではない。
夕食は親子の大切な語らいの場である。それが失われつつあること自体を深刻に捉えるべきである。
25年に国連児童基金(ユニセフ)が発表した先進諸国の子供の幸福度ランキングでは、日本の子供の総合幸福度は14位だった。その中で身体的健康は、死亡率の低さや肥満の少なさなどから1位であるのに対し、精神的幸福度は32位だった。精神的な幸福を子供の福祉の中核として捉え直す必要がある。
高市首相は大胆な政策を
高市早苗首相は昭和100年記念式典で「若者たちが、日本に生まれたことに誇りを感じ、『未来は明るい』と自信を持って言える国を創り上げていく」と表明した。明るい未来のための大胆な政策を期待したい。





