きょうは昭和天皇の誕生日で「昭和の日」である。戦争そして敗戦からの復興という激動の歴史を振り返り、この国の将来に思いを致したい。
戦後復興成し遂げた底力
「昭和100年」の昨年や昭和改元から100年に当たる今年、その歴史を振り返る出版やテレビ番組が相次いだ。昨年は戦後80年でもあり、悲惨な戦争体験に関する企画が目立った。
戦前・戦中世代がだんだん世を去っていく中、その貴重な体験を後世にしっかりと伝えることは大きな意味がある。しかし、ただ戦争は駄目だという結論で終わるのは、教訓を十分に生かすことにはならない。
テレビなどで伝えられるウクライナ、パレスチナ、イランの状況からも、戦争の悲惨さはいやというほど伝わってくる。一方、二つの大戦を経験しながらも、なぜ戦争がなくならないのかという思いが湧いてくる。ただ平和の尊さを訴えるだけでは、平和は担保されないことを如実に示している。
昭和の日本人は、戦争、荒廃、復興、そして繁栄という激動の歴史を歩んできた。昭和は始まりの頃から戦争の影が付きまとった。しかしその3分の2は復興と繁栄の時代だった。敗戦という悲劇に至った道を検証し、反省することも重要だが、奇跡の戦後復興をいかに成し遂げ、世界経済のトップを走った黄金時代をつくることができたのかを改めて振り返る必要がある。
東西冷戦という国際環境をはじめ、活発な企業活動によって中間層という安定した階層が社会に多く存在していたこと、家族や婚姻に対する人々の意識、価値観など、繁栄の土台となったものを改めて見直す作業が必要ではないか。
世界の国々、特にアジア諸国は、戦後の日本の復興と成功に学ぼうとした。今、われわれ日本人がそれを学び直す時だ。
「日本列島を、強く豊かに。」を掲げて2月の衆院選を勝利した高市早苗首相は、昨年10月の所信表明演説の冒頭で「私は、日本と日本人の底力を信じてやまない者として、日本の未来を切り拓(ひら)く責任を担い、この場に立っております」と述べた。戦争や自然災害から立ち上がってきた日本人の底力がどこから来るのかも考えたい。
バブル経済崩壊後、日本経済は失速し「失われた20年」といわれた。「日本を、取り戻す。」を合言葉にした安倍晋三首相(当時)の経済政策「アベノミクス」によってようやく元気を取り戻したが、まだ多くの課題があり、日本の持つ潜在力が生かし切れているとは言えない。
その安倍氏の遺志を継承した高市首相は、「責任ある積極財政」を掲げ、海外では政府が一歩前に出て官民が連携し、新たな産業政策を展開するのが大きな潮流となっていることに注目。「経済成長を実現するために必要な財政出動をためらうべきではない」と宣言した。画期的な方針転換だ。
強い経済を取り戻せ
日本が強い経済を取り戻し、さらに伝統に裏打ちされた文化力、そして激動の歴史から学んだ判断力とバランス感覚を生かせば、日本の新たな黄金時代到来も夢ではない。





