
沖縄県の玉城デニー知事(66)が記者会見し、県知事選(8月27日告示、9月13日投開票)に3選を目指して立候補すると表明した。
前那覇市副市長の古謝玄太氏(42)も出馬する意向を示しており、事実上の一騎打ちとなりそうだ。
玉城県政評価が争点
玉城県政2期8年への評価を基に、県政の継続か刷新かが問われる選挙となる。世界的に先行き不安が広がる中で、沖縄県民の将来ビジョンと暮らしを守るための政策論議が始まることを期待したい。
玉城氏は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画の是非が「大きな争点の一つ」と明言。県外・国外移設と早期閉鎖返還を求める姿勢を重ねて示した。古謝氏は事実上、容認の立場だ。
日米両政府が1996年4月、普天間の全面返還で合意してから30年が経過した。この間、民主党政権が実現性のない「県外移設」を掲げたことや、移設に反対する県が国と法廷闘争を繰り広げたことが返還の遅れを招いた。玉城氏は反省・謝罪すべきだ。
玉城氏は当初、出馬会見を3月28日に行う方向で調整を進めていたが、辺野古の沖合で研修旅行中の高校生ら2人が死亡した抗議船の転覆事故を受けて延期した経緯がある。
しかし、基地問題だけが沖縄の課題ではない。1人当たりの県民所得は全国最低で、貧困世帯も多い。中東情勢の悪化による石油製品の供給不足は県経済や県民生活に大きな打撃を与えかねない。
人口密度が首都圏並みに高い沖縄本島に鉄道がないため、慢性渋滞がひどく、住民の生活の質に影響している。普天間返還後の県土発展のビジョンを示してほしい。
記者会見では基地問題についての質問が相次いだが、メディアはいたずらに基地問題をあおるべきではない。
玉城氏は、辺野古移設反対でまとまる「オール沖縄」勢力から支援を受ける。故翁長雄志前知事の後継として2018年に初当選したが、支持基盤は弱体化している。オール沖縄勢力は24年の県議選で大敗した上、同勢力の市長は全11市で1人もいない。今年2月の衆院選でも沖縄全4区で議席を失った。
古謝氏は22年の参院選に自民党公認で立候補したが、知事選では知名度アップが課題だろう。経済界や市町村、国政政党とのパイプは強みだ。支援する自民のほか日本維新の会、国民民主党、公明党、参政党にも推薦を求める。
総務省時代のノウハウと経験を生かし、観光の先にある豊かな海を生かした新産業、世界が注目する健康長寿の価値、次世代のあふれるエネルギーを活用することを打ち出している。
候補はビジョン示せ
国政与野党は知事選を来年の統一地方選や28年参院選の前哨戦と位置付けている。過去の知事選の例に漏れず、全国から多くが選挙運動に駆け付け、注目が高まることが予想される。
どの候補が沖縄発展のビジョンを示せるかを問う選挙にしてほしい。





