
高市早苗首相が就任し内閣が発足して半年が過ぎた。自民党総裁選で選出を果たしたものの公明党が連立を離脱し、難航した連立交渉の中で日本維新の会との合意により発足した少数与党の政権は、衆院選の大勝と今年度予算成立により高市氏の掲げる「日本列島を、強く豊かに」する政策を遂行する地ならしはできたと言えよう。
有権者が連立合意に期待
就任して半年に当たる21日、記者会見した高市氏は「国力を強くする。これは外交力を強くする、防衛力を強くする、経済力を強くする、技術力を強くする、情報力を強くする、人材力を強くする、これを柱にしながら、さまざまな政策を展開してきた」と強調した。その手応えは予算編成を通じて感じたと述べており、まずは予算成立後の進捗(しんちょく)を見極めたい。
高市氏は「強くする」という意味において「成長」という言葉も多用してきた。就任後初の臨時国会における所信表明演説で「成長戦略の肝は危機管理投資だ」と訴えて、「経済安全保障、食料安全保障、エネルギー安全保障、健康医療安全保障、国土強靱(きょうじん)化対策などのさまざまなリスクや社会課題に対し、官民が手を携え先手を打って行う戦略的な投資」と説明した。
発足当初は衆参両院で過半数に及ばない連立与党だったが、1月に衆院解散を断行し、予算審議を控えてこれらの政策を実現するための「責任ある積極財政」を連呼する選挙戦を展開した。ここで高市氏は衆院での少数与党から自民単独でも3分の2を超える圧倒的多数を獲得する勝利を果たした。
高市氏の人気の高さによるところも大きいが、世界的な物価高騰と、その引き金となったロシアのウクライナ軍事侵攻、イラン情勢の緊張に不安を抱く国民は多い。前政権が短期間のうちに衆・参院選挙で過半数を失い、野党も期待されない閉塞(へいそく)感の中、高市政権の公約に期待し、民意が圧倒的多数の議席を与えたことを忘れてはならない。
また、政権公約は自民と維新が交わした連立政権合意書に基づいている。自公連立だった前政権が衆参の選挙で大敗した点、公明が立憲民主党と結成した中道改革連合が大惨敗した点を踏まえれば、維新が高市氏と意気投合して合意した政策を多とすべきである。
自民は公明との連立により長らく保守政策やインテリジェンス・スパイ防止法のような国論を二分する政策を進めることに躊躇(ちゅうちょ)してきた。しかし、改革保守の維新の政策が触媒となり、高市政権は保守政策を堂々と掲げることができた。スピード感を持って政策を遂行することは、時に自民内から不満が出ることもあるが、政策こそ高市氏の支持されるゆえんだ。
女性首相への「慣れ」を
男性の政治家が多いことから「根回し」などの疎通の面で、欠点が指摘されてもいる。記者会見で高市氏は「総理が女性であること、総裁が女性であることに慣れていただくしかないかなと思っている」とも述べた。政治家は「男女共同参画」を進めた当事者だ。女性が首相になった変化に対応するのも政治環境改善策の一環であろう。





