トップオピニオン社説日豪防衛相会談 重要な同志国と関係深めよ【社説】

日豪防衛相会談 重要な同志国と関係深めよ【社説】

 小泉進次郎防衛相はオーストラリアのメルボルンでマールズ国防相と会談し、インド太平洋の安全保障で日豪を「同志国連携の中核」と位置付けることで一致した。

 海洋進出を活発化させる中国やミサイル発射を繰り返す北朝鮮に対する抑止力向上を念頭に、米国の他、フィリピン、インドなどとの協力を拡充させる方針も確認した。

 29年に新型艦を納入

 また両氏は豪海軍の新型フリゲート艦について、海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦の能力向上型(新型FFM)をベースに共同開発する契約が締結されたことを受け、連携して事業を円滑に進めるための覚書に署名した。豪海軍の新型艦導入計画を巡っては、日本が提案していた新型FFMとドイツの艦艇が最終候補に残ったが、従来の護衛艦よりも少数の乗組員で運用できる点などが評価され、昨年8月、新型FFMの採用が決定していた。

 豪海軍は新型フリゲート艦を11隻配備する計画で、最大200億豪㌦(約2兆2000億円)規模の投資を見込む。11隻のうち最初の3隻は日本国内で、残りを豪州で建造。2029年に納入を開始する予定で、事実上の輸出となる。完成品の防衛装備品の輸出はフィリピンへの防空レーダーに続き、今回の新型FFMで2例目。日本にとって過去最大の装備品輸出となる。

 護衛艦など殺傷能力の高い武器は、かつての防衛装備移転三原則の運用指針では輸出が制限されていたが、「国際共同開発」を目的とする輸出は認められていた。政府は今回、運用指針を改定し、武器輸出の目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限定する「5類型」を撤廃し、殺傷能力のある武器輸出も原則解禁した。

 国際的な緊張が高まる中、中露朝の脅威に備えるとともに「自由で開かれたインド太平洋」を実現するためには、日米同盟を基盤としつつ、豪州、インド、韓国、フィリピンなどとの協力、さらに日米豪印(クアッド)、日米韓、日米比といった複数国間の枠組みを通じた連携を強化させていかねばならない。

 中でも日本と同様に民主主義と開かれた国際秩序を重視する海洋国家で、共にクアッドのメンバーである豪州は、わが国の外交や安全保障にとって重要な同志国だ。またレアアース(希土類)などを産出する世界有数の資源大国でもあり、エネルギーの安定供給や中国の経済的威圧への対処など経済安全保障体制を強化する上でも豪州との関係を深めていく必要がある。

 新型FFMの共同開発は、小泉氏が会談後の記者会見で述べたように日豪両国の防衛協力を「さらに高みに引き上げる大きな一歩」となったが、同盟関係の強化には、共同訓練の実施など部隊運用面での連携だけでなく装備品の互換・共用化を進めることも重要だ。

 緊密で幅広い防衛協力を

 豪州には日本、英国、イタリアが共同開発する次期戦闘機の輸出も検討されている。今後、防衛装備品の輸出や共同開発を加速させ、日豪両国の防衛協力をより緊密で幅の広いものへと発展させていくべきである。

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