トップオピニオン社説自民党大会 公約実現し強い党づくりを【社説】

自民党大会 公約実現し強い党づくりを【社説】

自民党大会で党歌を歌う高市早苗首相(右から5人目)ら=12日、東京都港区
自民党大会で党歌を歌う高市早苗首相(右から5人目)ら=12日、東京都港区

 自民党は高市早苗首相(党総裁)の就任後、初めてとなる党大会を開催した。

 2月の衆院選で圧勝した高揚感で会場は盛り上がり、首相は「国でも地方でも選挙に勝ち続ける強い自民党をつくる」と訴えた。そのためには選挙戦で掲げた公約を一つ一つ実現し、党への信頼を回復することが求められる。

 改憲発議へ結束の時

 大会には、昨年と異なる連立相手の日本維新の会の吉村洋文代表らも初めて招待された。吉村代表は憲法改正など自民との連立政権合意書の内容を共に実現していくべきであると強調した。ブレーキ役の公明党の不在により、保守政治への回帰が印象付けられた瞬間でもあった。

 自民の衆院選勝利は高市人気によるものなどと総括する向きもあるが、それだけではない。維新と交わした合意書を重視して作られた公約を多くの国民が支持したことが大きいのだ。自民党員が昨年まで3年連続減少したのは、岸田、石破両政権がリベラル政策に傾斜し、安倍晋三元首相の築いてきた保守岩盤層を壊し続けてきたからだ。

 その意味で、高市自民は党の基盤を再構築し足腰を鍛え直すチャンスを迎えているとも言える。首相は「今年いくつの公約を実現できたか、来年いくつの公約を実現できるかが党勢拡大につながる」と指摘した。有権者から背中を押された首相には、驕(おご)らず、丁寧な議論を心掛けつつ、最後は結果を出す指導力を発揮してもらいたい。

 演説で高市首相が力説したのは、改憲の重要性についてだった。首相は「どのような国をつくり上げたいか、理想の姿を物語るのが憲法だ」とし、「議論のための議論ではなく、行うべきは決断のための議論だ」と訴え、衆参両院での憲法審査会での議論の加速を求めた。その上で「改正の発議にめどが立った状態で来年の党大会を迎えたい」とのスケジュールを示したことに注目したい。

 発議するためには手続き上、衆参両院で3分の2以上の賛成が必要だ。「めどが立った状態」が何を意味するか明確にしなかったが、少なくとも与党が4分の3を占める衆院で改正原案をまとめ、議決可能な段階に至ることを意味しよう。

 問題は参院側だ。少数与党の状況が続き、憲法審会長も立憲民主党の議員である。大会では「自民党の歩みと未来への使命」という新たなビジョンが紹介され、改憲が「死活的に求められている」とされた。この言葉に党の本気度が示されていよう。参院自民は近く改憲実現議員連盟を発足させるなど意欲を示すが、衆院と足並みをそろえ尽力してもらいたい。本丸の改憲発議に向け全党が結束すべき時を迎えたのである。

 大衆迎合と対峙せよ

 高市首相はまた、安定的な皇位継承のための皇室典範改正の必要性を訴えた。「国会の議論を主導する」決意を示したことを評価する。早急に改正すべきだ。このほか、今年の運動方針では「国民政党として現場主義と対話を徹底」することが確認された。大衆迎合政治とは対峙(たいじ)しつつ、国民との深い交流を積み上げてもらいたい。

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