
中道改革連合の小川淳也代表が、「女性天皇を生きているうちに見てみたい」と発言し、後に撤回・謝罪した。
野党第1党の党首の発言は、皇位継承問題への認識不足を露呈するものであるが、背景には根深いものがある。
小川氏の撤回は1週間後
小川代表は記者会見で「言葉のハンドリングを誤ったという認識で率直にお詫(わ)びをして訂正したい」とし、「特に訂正したいのは『生きているうちに』という不用意な一言が入ったことで、対象者が限定されかねない。そういったことも含めて、私としても、結果として本人の意図するところとは異なる形で受け止められた可能性があり、お詫びして訂正したい」と述べた。
皇室典範で皇位継承は男系男子の皇族に限ると定められている。現状では継承順位第1位が秋篠宮皇嗣殿下、第2位が悠仁親王殿下となっている。
「生きているうちに」という言葉からは、秋篠宮殿下、悠仁殿下ではなく愛子内親王殿下が女性天皇に即位されることを望んでいると取られかねない。何より皇位継承権を持たれる両殿下に失礼である。皇位継承に関わるような重大問題を公党の代表が軽々に発言したことは看過できない。
そもそも皇位継承については、2021年12月にまとめられた政府の有識者会議報告でも、「次世代の皇位継承者がいらっしゃる中での大きな仕組みの変更は、十分慎重でなければならない」とし、「今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」と結論付けている。
遅々としてではあるが、それを基に与野党が国会で議論を行ってきた。小川代表の発言は、政府有識者会議の報告自体に対する認識不足であり、「言葉のハンドリングを誤った」どころではない。
小川代表は一応は発言を撤回したが、事の重大さを自覚しているようには思えない。この撤回・謝罪発言も、「どこかタイミングがあれば訂正したいと思っていた」と、発言から1週間も過ぎてから記者会見の一部として行った。女性天皇を「見てみたい」という言葉にも、皇位継承に対する軽々しい姿勢が表れている。
このような軽薄な発言の背景には、立派に成長された愛子殿下の人気の高まりもあると思われる。しかし、皇位継承は人気投票ではない。先人たちが築いてきた伝統の重みがある。
謝罪と言いながら、小川代表は「女性天皇の議論は将来的にあっていいし、肯定する立場、賛同する立場です」と述べている。もちろん議論はあっていいが、このような見識の浅さと姿勢では、結局、野田佳彦前共同代表の頃と変わらない、議論のための議論に終始しないかと危惧される。
男系前提で皇族数確保を
万世一系の皇統によって、日本民族は歴史の荒波の中でも統一と安定を保ってきた。わが皇室が世界最古の王室として今も続くのは、男系継承の伝統が揺るがなかったためだ。
皇族数確保について議論する時、まずこの前提から出発すべきである。





