トップオピニオン社説自転車「青切符」 危険運転抑止につなげたい【社説】

自転車「青切符」 危険運転抑止につなげたい【社説】

 自転車の交通違反を反則金制度(青切符)の対象にする改正道路交通法が、きょうから施行される。

 近年は自転車が歩行者と衝突する事故が増えている。危険運転の抑止につなげたい。

ルール順守を促す狙い

 対象は16歳以上で、青切符交付となる違反は113種類に上る。主な反則金は、スマートフォンを使用しながらの運転が1万2000円、信号無視が6000円、2人乗りが3000円などとなっている。

 青切符は、比較的軽微な違反に対して警察官が現場で交付し、違反者が反則金を納めれば刑事罰を科さない制度。これまでは悪質な違反に刑事処分の対象となる交通切符(赤切符)を交付し、それ以外は警察官が警告や指導を行ってきた。ただ、赤切符で起訴される割合は低い。

 このため取り締まりの実効性向上や交通ルール順守を促す狙いで、自転車を反則金の対象に加える改正道交法が2024年5月に成立した。一方、飲酒運転や妨害運転など特に危険性の高い24種類は引き続き赤切符の対象となる。

 交通事故全体の減少傾向とは対照的に、自転車対歩行者の事故や法令違反による取り締まりは増加している。自転車と歩行者の事故は25年に全国で3269件(前年比226件増)発生し、統計がある06年以降で最多だった。事故のほとんどは自転車側に法令違反があった。

 このうち死亡・重傷事故は356件(同5件増)に上る。「飲酒運転」が87件(同12件減)、スマホを注視するなどの「ながら運転」が22件(同6件減)だった。たとえ自転車であっても、危険な運転をすれば人命を奪うケースがあることを肝に銘じる必要がある。

 自転車は免許が不要で、誰でも手軽に利用できる便利な乗り物だが、道交法上は軽車両に分類される。その意味でも、飲酒運転など言語道断だ。また、スマホを利用するのであれば自転車を止めてからにする必要がある。今回の青切符導入を機に、利用者は改めて交通ルールを確認してほしい。

 自転車は原則的には車道を通行しなければならない。ただ標識や標示で「通行可」とされている場合や、13歳未満や70歳以上の人、一定の身体障害がある人が運転する時は歩道の通行が認められている。また、車道の交通量が多ければ利用できる。警察は、単に歩道を通行するだけであれば指導、警告にとどめ、基本的に青切符の対象にはしないとしている。

 もちろん、歩道では歩行者に対する最大限の配慮が求められる。車道寄りを徐行し、歩行者の妨げになる場合は一時停止する必要がある。歩道を高速度で走る、歩行者を避けないなど危険性が高く、悪質なケースは青切符の対象となる。

利用者の安全意識向上を

 音響事業を手掛けるNTTソノリティの意識調査によれば、青切符導入について半数以上の人が「知らないうちに違反してしまいそう」と不安を覚えていることが分かった。

 警察は制度を周知徹底し、自転車利用者の安全意識向上に努めるべきだ。

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