違法なオンラインカジノ利用の防止策を検討する総務省の有識者会議は、利用者の接続の強制遮断(ブロッキング)について「有効性は否定できない」とした。
「通信の秘密」を保護する観点からの慎重論や効果に対する懐疑的な指摘もある一方で、カジノへの支払いや勝利金の受け取りをできないようにする決済ブロックを求める意見もある。法制化を視野に有効な手段を重ねて対策すべきだ。
依存症になるリスクも
警察庁が2025年に公表した調査データによると、違法オンラインカジノを利用したことがある人は推計で337万人、年間の賭け金総額は約1兆2400億円だった。インターネットを閲覧中に出てくる広告によって誘導され、違法と認識しないまま利用している例も多い。
同年の調査時点の利用者は約196万人。1人当たりの年間平均賭け金は約63万円でほぼ半数の人が借金を経験している。それほどのめり込むのは、ゲームに賭けの要素を組み合わせたプログラミングが優れているからだが、利用者は必ず負けるように設計されている。違法に動く金額の規模の大きさは極めて深刻だ。
運営拠点は海外にあり、現地では合法であるとアピールして国内の閲覧者を誤解させる恐れがある。しかも「違法ではないオンラインカジノ」として人気サイトを紹介し、手軽にすぐプレーできるアフィリエイトレビューサイトも多く存在する。
利用者にとって携帯電話やパソコンなどの端末でカードやスロットなどのゲームをするのと変わらない操作でも、金やこれに代わるポイントを賭けるカジノを利用すれば「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する」と刑法に定めた賭博罪に当たる。逮捕・書類送検された利用者や決済代行業者もいるが、何百万人もの利用者のうちのわずかな数にすぎない。
オンラインカジノは金を儲(もう)けたい欲求からゲームの射幸性を高め、自室でできるために長時間を費やし依存症になるリスクがある。もともと国内では違法であるため、偶然、接続して利用したとしても強制遮断される措置が取られれば被害は避けられる。それには「通信の秘密」や「知る権利・表現の自由」を勘案しながら違法行為を排除するための法制化を進め、ブロッキングを合法化する必要があるだろう。
しかし、ネット上のカジノ運営者は幾つものサイトを次々と作るなど、ブロッキングを逃れる手段を講じるため、いたちごっこになる可能性も高い。決済ブロックも、想定した以外の決済手段に対してはブロックできない。オンラインカジノ側は決済に仮想通貨、電子マネー、闇口座の使用などさまざまな手段を用いているという。
違法だとの啓発が重要
まず、オンラインカジノ利用は違法であり、依存症の恐れがあると教育現場の指導、国民への啓発が重要な防止策になる。その上で、一般人の接続や決済を困難にする強制遮断や決済ブロックの措置を併せ、重層的に対策を講じることで有効性を高めるべきだ。






