トップオピニオン社説日米首脳会談 中東停戦後の掃海艇派遣を【社説】

日米首脳会談 中東停戦後の掃海艇派遣を【社説】

米ワシントンのホワイトハウスで首脳会談に臨む高市早苗首相(左)とトランプ大統領=19日(川瀬裕也撮影)
米ワシントンのホワイトハウスで首脳会談に臨む高市早苗首相(左)とトランプ大統領=19日(川瀬裕也撮影)

 高市早苗首相が訪米し、トランプ米大統領と会談した。高市首相の訪米は昨年10月の就任後初めて。

安保協力推進で一致

 両首脳は、イラン情勢が悪化する中東地域の平和と安定の実現に向け、緊密に意思疎通を続けることを確認。「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進や、台湾問題を念頭に武力や威圧を含む一方的な現状変更の試みへの反対を申し合わせたほか、中国や北朝鮮対応での連携、それにミサイルの共同生産・共同開発など安全保障協力の推進でも一致した。またトランプ氏は拉致問題の即時解決に「全面的な支持」を表明した。

 経済安全保障などの分野では、高市首相が米国から調達する原油を備蓄する共同事業を実現したいと伝達。また日米両政府は、重要鉱物の安定確保に向け東京都の南鳥島周辺のレアアース(希土類)泥の開発で協力することなどを盛り込んだ三つの文書をまとめた。小型原発の建設など日米関税合意に基づく対米投融資第2弾に関する共同文書も発表した。

 トランプ氏が高市首相の訪米に際し、イランに事実上封鎖されているホルムズ海峡の航行安全確保のために艦船派遣を迫り、話し合いがこじれるのではとの懸念もあったが、会談は友好的な雰囲気の中で進んだ。米欧の関係がぎくしゃくするのとは対照的に、昨年のトランプ氏訪日に続き、日米両首脳の信頼関係はさらに強まり、日米同盟の緊密さも再確認され、会談は成功を収めた。トランプ氏の訪中が先送りされ中国問題は主要議題にならなかったが、米中会談の前に日米の結束を示せたことは、中国を牽制(けんせい)する上でも有意義であった。

 トランプ氏は会談冒頭、英仏独などNATO(北大西洋条約機構)主要国が米国の艦船派遣の要請を拒否する姿勢を見せたことに失望感を示した一方、日本は責任を果たそうとしていると持ち上げた。

 その上で、日本はホルムズ海峡を通じて多くの原油を輸入していると強調し、安全な航行に向け「日本が一歩踏み出すことを期待している」と語った。これに対し高市首相は、イランを非難しつつ、事態の早期沈静化を訴えた。

 会談終了後、高市首相は「機微なやりとり」があったと認めつつ、「法律の範囲内で、できることとできないことがある。詳細に説明した」と述べるにとどめた。だが戦争の継続中は難しいが、停戦後であれば敷設された機雷除去のための掃海艇派遣などは法的に可能である。

 また首脳会談と前後して、高市首相は欧州など6カ国の首脳と共同声明を発表し、ホルムズ海峡で「安全航行を確保するための適切な取り組みに貢献する用意がある」と表明している。それゆえ停戦後、求められればNATO諸国とも連携し、躊躇(ちゅうちょ)することなく掃海艇などの派遣に踏み切るべきである。

米イランの仲介試みよ

 一方でわが国はイランとも友好的な関係を維持している。そのつながりを生かし、必要なら米国とイランの仲介を試みるなど紛争解決のための協力も惜しんではならない。

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