トップオピニオン社説衆院定数削減 避けられぬ政権合意の実現【社説】

衆院定数削減 避けられぬ政権合意の実現【社説】

 自民党と日本維新の会は衆院議員定数削減に向けた法案を特別国会に共同提出する方針を確認した。両党が連立政権を樹立する際に維新側が条件に挙げており、両党の結び付きを深める上でも避けて通れない課題だ。自民内の慎重論や野党の反発もあるが、衆院選で与党が大勝した結果を受けて政策を前に進めるべきだ。

 維新「連立の絶対条件」

 自民と維新は昨年の臨時国会に定数削減法案を提出していたが、今年1月の衆院解散で廃案となった。今国会に提出する法案について両党の幹事長会談が政調会長、国会対策委員長の同席の下に行われ、465の衆院定数の1割程度を削減する方向で一致。比例代表で45議席の削減になる見込みだ。

 衆院定数削減は、議員の数を減らすことによって歳費を節約し、財政負担を軽減する政治改革である。ただ45人減らしたとしても数十億円の節約であり、100兆円を超える国の予算規模と比較してもわずかだ。財政的に大きな効果があるわけではない。

 だが、政権にとって政治的な重みは大きいものがある。高市早苗首相が昨年の臨時国会の首相指名選挙で薄氷の勝利を収めたのは、維新との連立合意があったからだ。

 維新代表の吉村洋文大阪府知事は大阪での府議会・市議会定数削減という「身を切る改革」を引き合いに出し、高市氏に衆院定数削減を連立に参加する際の「絶対条件」だと迫った。

 国会議員にとっては選挙区の区割り変更と併せて自身の当落に関わる案件だけに抗おうとする心理が働く。だが、小規模な野党だった維新が大政党の自民と組んで与党になれば埋没しかねない。自民に利用されることなく本気のパートナーであることを示す証しとして定数削減の「身を切る改革」を求めたのは理解できる。

 もともと、自民と維新が連立を組む際に合意した12項目の政権合意文の中で、「一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す」と明記していたことから、維新としては期限延長を容認している。

 また、政権公約は今年2月に行われた衆院選の結果、民意を得て支持されたと認めるべきだ。自民は過半数を割る少数だったのが、単独でも3分の2の議席を得るほどの大勝に終わった。が、これも首相が維新との連立による保守改革路線を推し進めた結果だ。

 不断の選挙改革論議を

 今回の衆院選で自民は比例代表で候補者不足となり、14議席を他党に譲った。前回衆院選では国民民主党が同じ理由で3議席を他党に譲った。比例代表を含む現選挙制度が民意を的確に反映しないで、全く異なる公約を掲げる党に議席が譲られるのは欠陥ではないのか。比例代表定数の削減はその防止策の一つにはなろう。

 比例代表で議席を得た小党からは反対の声も上がるだろうが、小党が多くできる多党化も行き過ぎると弊害となる。選挙制度を巡る改革論議は不断に行うべきである。

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