
衆院選で惨敗した中道改革連合は、野田佳彦、斉藤鉄夫両共同代表の辞任に伴う代表選を行い、立憲民主党の元幹事長である小川淳也氏を選出した。
小川氏は「党内の態勢を整え、国民生活に貢献する」などと強調するが、党自体が存亡の危機に直面しているとの意識が欠如している。
砕かれた足し算幻想
なぜ衆院選で公示前勢力の3分の1以下に激減したのか、立民と公明党による新党結成がなぜ有権者の信任を得られなかったのか。それらをしっかり分析して猛省し解党的出直しを図れなければ、中道の将来はない、と覚悟すべきである。
代表選は小川氏と立民出身の階猛元政調会長代行の2人で争われた。両者に共通していたのは、中道の抱える政策面での曖昧さや矛盾を覆い隠していた点だ。日本の抱える国難を乗り越えられないことを証明する代表選でもあった。
未(いま)だに不明なのは、2015年に成立した安全保障法制を立憲主義に反すると糾弾し、「違憲部分を廃止する」としてきた立民が、公明との合流でなぜ「合憲」に変わったのかだ。その理由を代表選でも説明すべきでなかったか。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設にも反対していたはずだが、「慎重な立場」だとし、賛成の公明に配慮した回答に変わった。エネルギー政策の根幹をなす原発について立民は「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」としていたにもかかわらず、中道の基本政策には盛り込まれなかった。
公明の支持母体である創価学会の票を足し算すれば小選挙区で与党に圧勝できるとの幻想が打ち砕かれたわけだが、票欲しさに国家の根幹に関わる重要政策を説明もなく変えてしまう中道の野合体質を信頼できない、と有権者に判断されたのは当然である。
小川氏には「党内融和」も求められている。衆院選で当選した49人の内訳は、立民系が21人、公明系が28人。公示前勢力と比べ、立民系が127議席減ったのに対し、公明系は逆に4議席増えた。この結果に立民系から不満が続出。「中道が否定された厳然たる結果」だとして解党論も出ている。
衆院選後に合流するとされていた参院での統一会派結成は先送りとなった。地方議会でも「中道を看板に戦えない」との声が多い。小川氏は「参院や地方議会にさまざまな戸惑いと思いがあるのは当然のこと」とし、合流の期限も「拙速に切ったりするのを控える」としている。しかし、有権者の理解が広がらなければ、代表の求心力は低下の一途をたどろう。
深刻な課題の基盤固め
小川氏は「強くて魅力的な野党第1党が政権の受け皿となって定期的な政権交代が行われ、政治の浄化と政策の軌道修正が進んでいくことが私の目標だ」と意気込んだものの、そのスタートラインにすら立っていないことを自覚すべきである。
18日に召集される特別国会では、高市政権に他の野党と連携しながら対峙(たいじ)していくと勇ましい。だが、足元の党の基盤固めをできるか、深刻な課題だ。






