
第51回衆院選で、自民党が総定数465の3分の2を超える316議席を単独で獲得し、連立を組む日本維新の会と合わせて352議席を得るという歴史的な勝利を収めた。
高市早苗首相は、国民の圧倒的多数の信任を背景に、決しておごらず、着実に「政策の大転換」を図り、日本列島を強く豊かにするよう懸命に舵(かじ)取りしてもらいたい。
新党の存続は危うい
高市首相が1月召集の通常国会冒頭で衆院解散に踏み切ったのは、新たな連立の相手となった維新との合意書の内容を進めることや、その司令塔として自分が相応(ふさわ)しいのかについて国民の審判を仰ぎたい思いが強かったからだ。首相が訴えてきた「責任ある積極財政」、安全保障強化、憲法改正、皇室典範の改正など国家の根幹を成す重要政策の「大転換」については、今回の圧勝により国民の理解を得られたとみていいだろう。
自民は一昨年の衆院選で惨敗し、少数与党に転落した。そのため、予算委員会や法務委員会、憲法審査会などの委員長ポストを立憲民主党に譲り、政権を維持することばかりに気を使った。自民らしい政策を全く実現できず、党支持率は低迷した。
しかし今回、委員長ポストを独占し、過半数の委員を確保できる絶対安定多数の261議席をはるかに超えた。衆院だけを見れば、憲法改正原案の発議に必要な議席数を獲得した。少数与党にとどまる参院でも、国民民主党や参政党などに働き掛けて3分の2を確保し、改憲実現に向け大きな一歩を踏み出してもらいたい。
ただ自民議員らに言いたいのは、今回の圧勝は「高市旋風」によるものであることだ。岸田文雄、石破茂政権時代に失った保守岩盤層が戻ってきたことが大きい。初の女性首相の登場で政治に関心を持ち、自民に投票した有権者も多い。支持層を固め直すには、慢心せず勝因を謙虚に検証し、今こそ挙党一致で臨むことが不可欠である。
一方、立民と公明党が合流した新党・中道改革連合は惨敗した。172あった勢力は49に激減。小沢一郎、安住淳、枝野幸男、岡田克也の各氏ら立民出身の大物候補が落選した。野田佳彦共同代表の引責辞任は当然だ。
公明出身の斉藤鉄夫共同代表も同様である。長年苦楽を共にしてきた自民との連立を一方的に離脱して野党に回った。直近の国政選挙で敵対視していた立民と一緒になって自民への批判の声を上げる姿を見た多くの国民は違和感を抱いた。
また、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設問題や安全保障、原子力政策などの重要政策で立民と擦り合わせをせずに野合。公明出身候補が比例代表名簿の上位を独占して28人全員が当選したが、中道内から不満が噴出しており、新党の存続すら危うい事態に陥る可能性がある。
与野党は建設的対応を
しかし国内外情勢が激変している中、近く召集される国会で与野党には建設的な対応を望む。首相は丁寧な合意形成を心掛けつつも、安定基盤を生かし公約の実現に取り組んでもらいたい。






