トップオピニオン社説衆院選振り返り 支持を広げた「高市旋風」【社説】

衆院選振り返り 支持を広げた「高市旋風」【社説】

聴衆に手を振る高市早苗首相(自民党総裁)=1月27日、東京都千代田区
聴衆に手を振る高市早苗首相(自民党総裁)=1月27日、東京都千代田区

 解散から投開票までわずか16日という戦後最短の衆院選。史上初の女性首相・高市早苗氏(自民党総裁)の「信任」を問う異例の真冬選挙だった。

 政権は連立枠組みを変更し、大胆に政策も転換した。高市氏は若者の高支持率(80%前後)を意識し、「自分たちで未来をつくる選挙」と名付けて号砲を鳴らした。

 改めて政権に期待感

 衆院選は2024年10月以来、約1年3カ月ぶりに行われた。輸入インフレの原因である円の独歩安が収まらぬ中、政権の物価高対策、また解散の時期について、国民の納得感は足りぬまま突入した選挙戦であった。しかし高市氏が各地を遊説し、「日本列島を強く豊かに」の持論と、わが国の希望、未来を力強く訴えていくと、時の人を一目見ようと記録的な人だかりができ、改めて政権への期待感が高まった。

 物価高対策のほか、外国人政策や外交・安全保障などが主な争点となった衆院選では、報道各社の情勢調査によれば選挙期間全般で自民が戦いを優位に進めた。「首相は高市早苗で良いのか」と問うた戦術も功を奏したとみていい。

 高市氏は衆院解散の意向を表明した際、与党で過半数確保を目標に掲げて「進退を懸ける」と明言。自民は政党支持率で伸び悩んでいたが、「高市旋風」が無党派層を引き込んだとみられる。高市氏は選挙戦で「責任ある積極財政」や危機管理投資のほか、「自衛隊明記」などの憲法改正も訴えた。新たに与党入りした日本維新の会(吉村洋文代表、藤田文武共同代表)は「連立内の改革推進力」をアピールした。

 これに対し、野党第1党の立憲民主党と、安定した宗教組織票を誇る公明党が合体した、結成間もない中道改革連合(野田佳彦・斉藤鉄夫両共同代表)は「生活者ファースト」を掲げ、今秋からの食料品の消費税率恒久0%などを公約としたが、各党から類似の減税案も提示され争点となりづらかった。財源としてのファンド運用構想も、リスク不安を拭えない。

 根本問題として安全保障、エネルギーなど基幹政策について曖昧さが残り、政権担当の基礎要件を欠いている。随所で他者を批判するトーンは無党派層の拒否感を招き、選挙終盤には幹部らの落選危機すら複数報告された。自らの失速で、対抗する自民の勢いを相対的に後押しするほどだった。

 昨年の参院選で躍進した国民民主党(玉木雄一郎代表)は、「もっと手取りを増やす」と訴えた。同じく参院選躍進組の参政党(神谷宗幣代表)は、日頃の地道な党員拡大や組織づくりなどから今回も勢いの強さが見られた。

 各国首脳らも反応開始

 日本海側では豪雪に見舞われたにもかかわらず、衆院選の期日前投票者数は前回比約29%増の約2700万人に達し、過去最多を記録した。

 「高市旋風」に対し、トランプ米政権による国賓招待やマクロン仏大統領の来日決定など、各国首脳の反応も活発化している。衆院選での与党の勝利は日本外交の強化につながろう。

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