トップオピニオン社説冬季五輪開幕 「平和の祭典」盛り上げたい【社説】

冬季五輪開幕 「平和の祭典」盛り上げたい【社説】

 ミラノ・コルティナ冬季五輪が開幕する。カーリングなどの競技は既に始まっている。戦争が続き混迷する世界に光をともす「平和の祭典」として盛り上がることを願いつつ、日本選手の活躍を期待したい。

 イタリア北部で広域開催

 今回の五輪はイタリア北部での広域開催となる。22日までに8競技116種目を実施する。開会式はミラノのサンシーロ五輪競技場で行われ、コルティナダンペッツォ、プレダッツォ、リビーニョの3カ所でも大会参加者が行進する。

 ロシアのウクライナ侵攻から間もなく4年になるが、停戦の見通しは立っていない。ウクライナ側で50万~60万人、ロシア側はそれに倍する約120万人の死傷者が出ているという推計もある。経済的、社会的、文化的な損失は計り知れない。この戦争は両国にとどまらず、食料品をはじめとした物価高などで世界的な損失をもたらしている。

 パレスチナ自治区ガザでは、昨年10月の停戦発効後もイスラエルによる攻撃が止(や)まず、ガザの保健当局は今年1月31日、死者が509人に上ったと発表。真の停戦には至っていない。

 戦争が長引くほど、軍事行動を控え抑制することへの無力感、平和に対するペシミズム(悲観主義)が蔓延(まんえん)する。戦争の終結には政治的な努力が必要だが、平和を希求する国際世論の高まりがそれを後押しする。

 戦争が絶えなかった古代ギリシャの都市国家の間でも、五輪開催中は戦いの矛を収めた。五輪が平和の祭典と呼ばれるゆえんだが、その意義はますます大きいものとなっている。

 大会組織委員会のマラゴ会長は「選手や私たちが伝える調和、平和のメッセージは世界中に広がると確信している」と語る。ミラノ市内の選手村には、スポーツを通じた平和実現を願う「五輪休戦の壁」が設置された。開会式で五輪旗を運ぶ旗手10人の一人に、核軍縮など平和貢献活動に取り組んできた広島市の秋葉忠利前市長が選ばれた。

 選手たちの正々堂々とした全力を尽くした戦いが、何よりも人々に勇気を与え、平和へのメッセージとなる。厳しい時代だからこそ、平和の祭典をこれまで以上に盛り上げていきたい。

 日本勢は6競技に計120選手が参加。日本選手団の伊東秀仁団長は、18個のメダルを獲得した前回2022年北京五輪を上回る成績を目標に掲げる。原田雅彦副団長も「史上最強の日本チームが大活躍すると思っている」と期待を込める。男子も女子も世界トップクラスがそろうスノーボードでは、メダルの量産が期待される。スピードスケート、冬季五輪の花と言うべきフィギュアスケートも金メダル候補が出場する。ノルディックスキー・ジャンプでも表彰台を十分狙える選手が参加する。

 中傷対策でサポートを

 SNSでの出場選手への誹謗(ひぼう)中傷といった課題も出てきている。日本オリンピック委員会(JOC)は、ミラノ市内に拠点を設け、SNSやニュース配信サイトを監視し、今月3日までに不適切な投稿380件の削除を依頼した。選手たちが気持ちよく最高のパフォーマンスができるようサポートしてほしい。

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