
来日したイタリアのメローニ首相が、高市早苗首相と会談した。メローニ氏の来日は2024年2月以来で3回目。昨年9月、石破茂首相(当時)との会談や大阪・関西万博の視察を行う予定だったが、ウクライナ情勢などを考慮して訪日が延期されていた。
共に自国初の女性首相
日伊の関係は、これまで文化交流や経済が中心であった。しかし中露など権威主義諸国の脅威が高まる中、最近は安全保障分野での連携も深まっている。英仏など他の西欧諸国と同様、イタリアもインド太平洋地域への関与を重視しており、今回の会談は日伊の防衛協力や経済安全保障での連携を強めることが重要な目的であった。
首脳会談では、今年が日本とイタリアの国交樹立160周年の節目の年に当たることもあり、両国の関係を現在の「戦略的パートナーシップ」から「特別な戦略的パートナーシップ」に一段引き上げ、政治や経済など幅広い分野で関係を深める方針を確認した。
その上で安全保障では、自衛隊とイタリア軍の共同訓練の実施や、英国を含む3カ国による次期戦闘機の共同開発など協力を加速させることで一致。経済安全保障などでは、中国を念頭に経済的威圧や重要鉱物の輸出規制に対する懸念を共有し、サプライチェーン(供給網)強靭(きょうじん)化のための連携強化や有事の際の液化天然ガス(LNG)の融通を含むエネルギー分野の協力、さらに宇宙開発の技術協力を進めるため新たな協議体を立ち上げることで合意した。これに加え、中国を意識し「力または威圧による一方的な現状変更の試みに反対する」と明記した共同声明が発表された。
メローニ氏と高市首相は昨年11月、南アフリカで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で初めて対面した際、笑顔でハグを交わすなどその親密ぶりが話題となった。
メローニ氏が日本に到着した1月15日は自身の誕生日。高市首相はメローニ氏に祝意を伝え、昼食会ではサプライズで誕生祝いのケーキを準備。メローニ氏も「温かい友情関係が生まれた」と応じ、高市首相をローマに招待したいと述べた。
「ジョルジャ」「サナエ」とファーストネームで呼び合うなど、会談は終始和やかな雰囲気の中で行われ、トップ同士の親密な関係を築くことに成功したと言える。
2人には自国で初の女性首相で保守派のリーダーという共通点があり、トランプ米大統領と良好な関係を築いている点でも一致している。立ち位置の近さや相性の良さは、首脳同士の繋(つな)がりを密にし、日伊、さらには日欧の距離を近づける大きな力ともなる。
さらなる強化発展を
日本は欧州連合(EU)や欧州各国との安全保障協力の強化に取り組んでいるが、共に次期戦闘機の開発に携わるイタリアは、特に重要なカウンターパートである。高市首相はメローニ氏との信頼関係を活(い)かし、国際情勢に対する意見交換や認識の共有を図るとともに、日伊関係のさらなる強化発展に努めてもらいたい。






