トップオピニオン社説26年の日本経済 「強い経済」へ確かな一歩を【社説】

26年の日本経済 「強い経済」へ確かな一歩を【社説】

 5日の東京証券取引所大発会は大幅上昇で一年のスタートを切った。丙午(ひのえうま)の2026年、日本経済はどんな展開になるか。「強い経済」の実現を目指す高市早苗政権にとって、真価が問われる一年である。

 大型の25年度補正予算と過去最大122兆円の新年度予算案を併せ、丙午の運勢が示すように、挑戦と大きな飛躍の年になることを期待したい。

 実質賃金のプラス定着も

 昨年の日本経済は、物価高の中、総じて緩やかな回復を続けた。7~9月期に6四半期ぶりにマイナス成長になったが、それは法改正に伴う住宅投資の駆け込み需要の反動減と、トランプ米政権による高関税政策の影響を受けた輸出の減少が主因。個人消費は底堅さを見せた。

 もっとも、成長は続けたが、勢いがない。内需に力強さがないため、25年7~9月期のような外需の落ち込みをカバーし切れない。消費に力強さがないのは、物価高の影響で家計が節約志向から抜け出せないからで、「令和の米騒動」で歴史的な高水準となったコメを筆頭に、食料品の値上げも相次いだ。消費者物価は3%台の上昇が続く。

 一方、25年春闘は平均賃上げ率が5・25%(連合集計)と2年連続で5%台の高い賃上げ率になったものの、物価変動の影響を差し引いた実質賃金は同年1月から10カ月連続マイナス。昨年10月に誕生した高市政権が、物価高対策などを柱とする総合経済対策の裏付けとなる18・3兆円の25年度補正予算を成立させたのもこのためだ。

 さて、今年の日本経済である。先の総合経済対策をはじめ、新年度予算案での賃上げ対応や税制改正での「年収の壁」の引き上げなどで、物価高対策と賃上げ、減税などが実現すれば、消費を巡る環境は相応の改善が見込めそうだ。

 26年春闘では、連合が既に賃上げ「5%以上」の要求を決定しているが、輸出企業ではトランプ関税の影響はあるものの、好調な企業業績を背景に引き続き5%台の賃上げが日銀の調査などでも予想されている。

 食料品の値上げについても、帝国データバンクの調査によれば、春にかけて値上げラッシュは収束の見通しだ。これらの状況から、今後、実質賃金の安定的なプラス圏定着を予想する識者も少なくない。

 課題は物価高の面では、為替動向(円安)と天候問題だ。高市政権の積極財政が市場では財政悪化を招くとして持続可能性が不安視されて円安傾向になっている現状だ。政権としては一日でも早く良い結果を示し、そうした不安を払拭したい。

 供給力強化の取り組みを

 天候面では異常気象による作物の不作などで、食料品を中心とした価格高騰が起こりやすい。食料自給率が低く、食料の輸入依存度の高い日本は、それだけ食料供給面で脆弱(ぜいじゃく)性を抱えているからだ。

 人手不足も喫緊の課題だ。建設業や製造業では省力化やⅠT化など対策も進んではいるが、まだまだ十分とは言えない状況で、人件費上昇の要因にもなっている。供給力の強化にも努めることで、日本経済の成長と強さを確固たるものにしたい。

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