トップオピニオン社説日本この1年 政治意識の地殻変動顕在化【社説】

日本この1年 政治意識の地殻変動顕在化【社説】

 多事多難な2025年も大晦日(おおみそか)を迎えた。さまざまな課題が噴出する中で、それにまず答えねばならない政治の世界で大きな変動が起きた。その根底には、国民の政治意識の変化がある。

 高市氏が初の女性首相に

 7月の参院選で大敗した自民党は、ついに結党以来初めて衆参両院で過半数を割り、約3カ月の政治空白の末、自民党総裁選を勝利した高市早苗氏が政権を担うことになった。戦後80年の節目となる年に初の女性首相が誕生し、日本政治史に新しい一ページを開くことになった。

 その流れの中で高市氏の保守色を嫌った公明党が約26年続いた連立政権から離脱し、自民と日本維新の会の連立政権の誕生となった。自公連立の解消は、女性宰相の誕生以上に大きな意味を持ち、それは今後さらに顕在化していくとみられる。

 もともと中道リベラルの公明と保守の自民では政治理念でかなりの距離があった。連立は、選挙協力のためのご都合主義によるものだった。政権の安定には貢献したが、肝心の政策の立案では、憲法改正や対中政策などで公明がブレーキとなり、自民のリベラル化にも少なからず影響した。維新との連立は、参院選で外国人対策を訴えた参政党の躍進などに表れた国民の政治意識の変化に沿うものだ。

 高市政権は政権発足後も、70%台の高い支持率を保持している。首相は所信表明演説で「日本と日本人の底力」を信じてやまないと言い、「日本列島を強く豊かにしていく」という力強いメッセージは、国民、特に若い世代の心を捉えている。

 注目すべきは、中国が反発する「台湾有事」発言も、概ね国民が支持していることだ。リベラル路線に固執する野党から国民の心は完全に離れている。政府与党は、懸案である皇族数確保のための旧宮家男子の養子縁組、スパイ防止法の制定、外国資本による不動産取得の規制強化、そして改憲などの国家の根幹に関わる重要施策を、参政、国民民主党、日本保守党などと協力しながら進めていくべきだ。その素地はできつつある。

 国民の意識の変化に、政治がようやく追い付いたとも言えるが、それにブレーキを掛けているのがマスメディアだ。従来の建前論に終始する限り「オールドメディア」として信用を失っていくだろう。

 このほか今年は、184日間にわたって開かれた大阪・関西万博に2500万人超が来場し成功裏に終わったことも印象に残った。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに技術や取り組みを世界に発信し、国際的な交流を深めた。

 正念場の「創造的復興」

 一方で昨年、元日の大地震と9月の豪雨で大きな被害を受けた石川県能登半島では復興の遅れが目立っている。道路や住宅の再建は道半ばで、子育て世代の人口流出が進んでいる。「創造的復興」は来年が正念場だ。

 今年はクマ被害も過去最多となったが、これも餌の不作だけでなく、中山間地域や里山での人口減が背景にある。東京一極集中と地方消滅の危機、人口減といった「静かなる有事」が進んでいる。来年は政権のより強力な取り組みが求められる。

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