
2026年度予算案が決定した。一般会計総額は122兆3092億円。高市早苗政権が掲げる「責任ある積極財政」の方針の下、「強い経済」実現に向けた施策が並び、財政規律にも一定の配慮を示した。大いに評価したい。
「金利のある世界」の到来で国債費の増加はやむを得ないが、強い経済で高い成長を実現し、安全保障を含む内外の諸課題に備え得る国造りに果敢に取り組んでほしい。
診療報酬を大幅引き上げ
高市政権による初めての当初予算編成で、予算規模は2年連続で過去最大を更新した。
予算規模が大きくなったのは、長期金利の上昇による国債費の増加と、医療従事者の人件費などに充てる診療報酬の「本体」部分を3・09%と前回(0・88%)から大幅に引き上げたことで社会保障関係費が増加したことが影響したためだ。
診療報酬の大幅引き上げは30年ぶりで、同政権の物価高・賃上げ対応への強い決意を示すものと言える。また厳しい安全保障環境から防衛費を25年度当初比3・8%増の約9兆円とし、外国人対策として出入国在留管理庁の関係経費を2割増(987億円)とした。同政権が重視する危機管理投資・成長投資では、特別会計で人工知能(AI)・半導体の支援に1兆2390億円を計上するなど、いずれも「強い経済」を実現する施策が並んだと言える。
税収見込みは25年度当初比7・6%増の83兆7350億円。所得税の課税最低ライン「年収の壁」の大幅引き上げなどから減収が見込まれるものの、物価上昇や好調な企業業績を背景に、7年連続で過去最高を更新する見通しだ。
「強い経済」へメリハリを利かした施策の実施にもかかわらず、財源不足を補う新規国債発行額は29兆5840億円と、当初ベースで5年ぶりに増加したが2年連続で30兆円未満に抑え、国債依存度も24・2%に下がった。最近の長期金利上昇への配慮がうかがえ、そうした努力を多としたい。
高市首相は予算案を決定した閣議後の会見で、「財政規律にも配慮し、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる予算案ができた」と語ったが、決して誇張ではない。名目経済成長率が長期金利を上回る状況が続けば、税収が増え、債務残高の国内総生産(GDP)比も低下していくからで、同政権が諸課題の克服へ強い経済を目指すのもこのためだ。
政府が決定した予算案に対し、「年収の壁」引き上げで自民党と合意した国民民主党は「非常にバランスが取れている」と評価し、早期成立に向けた協力を明言。連立を組む日本維新の会も早期成立を訴える。
「責任ある」を税収で示す
早期成立を図ることで、先に成立した25年度補正予算による総合経済対策と合わせ、物価上昇を上回る賃上げを一日も早く実現し、高成長と税収の一層の向上により、「責任ある積極財政」の実を示し、最近の長期金利上昇に見られる財政への不安を払拭したい。そうすれば、円安によるインフレ懸念もおのずと防げるだろう。






