自民党と日本維新の会は連立政権の合意文書で、来年の通常国会において「日本国国章損壊罪」(国旗損壊罪)を制定することを掲げた。
両党は同損壊罪を新設するための刑法改正案を次国会に提出して他党との議論を尽くし、少しでも多くの賛成を得て成立させるべきである。
不均衡の是正が急務
現在の刑法には、外国の国旗や国章について侮辱を与える目的で損壊した場合、2年以下の懲役または20万円以下の罰金に処する「外国国章損壊罪」が定められている。この規定は、外交関係への悪影響を防ぎ、外国の名誉を保護することを目的としている。
ところが、日本国旗「日の丸」については直接的な罰則がない。外国の名誉は守られるのに、自国の名誉は守られないという不均衡な状態が続き、国民感情との乖離(かいり)を生んでいる。その是正は急務である。
この正常化に長年、最も積極的に取り組んできたのが高市早苗首相自身だ。高市首相は2010年、「いずれの国旗も、平等に、尊重して扱われるべき」との認識から、外国国旗損壊と全く同等の刑罰を盛り込んだ日本国旗損壊の罪を新設する刑法改正案を起草した。
12年には国会提出が認められる党議決定にこぎ着けたものの、衆院解散によって廃案になった。21年に再提出することになったが、連立を組む公明党が「国民の(国旗を尊重する)自発的な意思がまず広まっていくことが先ではないか」と慎重な姿勢を示したため、前に進めることができなかった。
ところが、高市政権の連立相手が、この刑法改正案に積極的な維新に代わった。維新は、既に参院で同様の刑法改正案を単独で提出した参政党に対して「共同でやっていきたい」との意向を示している。
国民民主党の玉木雄一郎代表も「外国の国旗を棄損すると罪に問われるが、自国の国旗を棄損しても問われないというのはダブルスタンダードだ」と主張し、党内で議論を進めていく考えだ。
この問題に関しては、地方からも議論を促す要望が出てきた。宮城県仙台市議会はこのほど、「日本国旗を侮辱する目的で損壊、汚損される事例が報告されている」とした上で、外国国章損壊罪と同様に日本の国章についても法的に保護する法整備の検討を政府に求める意見書を可決した。議論を活発化させる環境ができつつある。
高市首相がこれまで強調してきたのは、諸外国では日本と正反対で「自国の国旗損壊等」に対する刑罰の方が「他国の国旗損壊等」よりも重くなっていることと、フランス、米国、中国では「他国の国旗損壊等」については規定がなく、日本の刑法とは真逆であることだ。
国旗尊重の念に理解を
国内には思想・良心の自由への抵触などを理由に反対する声もある。
しかし、日の丸は国家の象徴だ。損壊行為は国家の存立基盤を損なうものであり、多くの国民が抱く国旗への尊重の念を害する行為であることへの理解を深めることが肝要だ。






