年が明ければ大学入試のシーズンを迎える。
一般入試は1979~89年の共通一次試験、90~2020年の大学入試センター試験を経て、21年から大学入学共通テストが始まった。
社会の学力観も変わる
大学入試はテストの成績を競う仕組みから、どんな考え方、経験、意欲を持っているかを受験生が大学側に示し、「学びに向かう力」を評価してもらう仕組みに変わってきている。その傾向は近年、ますます顕著になっている。「覚えているか」よりも「どのように考えるか」などが試されるものになってきており、これまでの当たり前が通じなくなってきている。
大学入学共通テストでは25年から学習指導要領に対応した教科「情報」が追加され、知識量・正確さへの偏重から「思考力・判断力・表現力」を測る方向に大きく舵(かじ)が切られている。親世代までの知識偏重から「未来を切り開き、生き抜く力」(主体性、課題解決能力、創造性)といったものに社会全体の学力観が変わってきたからだ。
入試の方式が一般選抜(旧一般入試)、総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧推薦入試)と呼ばれるようになった。地方の大学などでは多少呼び方が違うこともあるが、概ねこの三つに大別される。文部科学省のデータでは22年度、大学に入る学生の約半分が総合型選抜、学校推薦型選抜での入学になっている。
総合型選抜、学校推薦型選抜は9月から出願が始まり、10~11月に選考が行われる。面接や小論文などが課せられるが、その内容は大学や学部によってさまざま。学校側がどんな学生を求めているのか、どんな大学、学部なのか、入学後に何を学びたいのか、などを理解した上で準備をしなければならない。
少子化の影響で18歳人口の減少が続く中、大学進学率が高まっていること、海外からの留学生が増えていることなどで大学は経営破綻の手前で踏みとどまっている。入学者を年内に確保しておきたい大学側は総合型選抜、学校推薦型選抜に力を入れている。
ところが、近年、一般選抜でそれなりの成績で入学したものの、大学での勉学が思い描いていたものと違う、と訴える学生が増えてきた。大学と学生との間に齟齬(そご)が生じないようにする対策として、大学入学共通テストを受けた受験生にも「何を学びたいのか」「受験した理由」「学びに向かう態度」などについて面接や記述論述問題の提出を求める大学も増えている。
未来を生き抜く人材を
高校での探求学習の活動実績や主体性・意欲を評価する総合型選抜、学校推薦型選抜で入学した学生の基礎学力が低く、大学での勉学や研究についていけないケースも増えてきた。このことから、総合型選抜、学校推薦型選抜の受験生にも一定水準の学力があるかの試験を課す大学も多くなってきている。
社会・大学・高校・受験生がつながり、一体となって、ⅤUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代を生き抜く人材育成を目指していきたいものだ。






