トップオピニオン社説臨時国会閉幕 試練を越えた高市連立政権【社説】

臨時国会閉幕 試練を越えた高市連立政権【社説】

与党党首会談を終え、共同記者会見する高市早苗首相(左)と日本維新の会の吉村洋文代表=16日午後、国会内

 第219臨時国会が58日の会期を終えて閉幕した。首相指名選挙で衆参両院とも少数だった自民党・日本維新の会連立与党が候補者とした高市早苗氏を選出し、日本初の女性首相が国政の舞台に立った。

 目玉の補正予算は野党の国民民主党、公明党の賛成も得て成立し、連立および内閣が代わる波乱含みの幕開けながら結果は穏当に終わった。

 自公から自維の枠組みに

 政局が混乱する国難に遭う中、画期的な展開となる国会だった。まず召集日がなかなか決まらなかった。石破茂前首相の退陣表明に伴う自民総裁選で高市氏が選出されたが、公明が連立を離脱し長年の自公連立にピリオドを打った。各党が首相指名選挙をにらみ、連立の枠組みを巡る数合わせの画策が続いたからに他ならない。

 参院選で自公が大敗して衆参両院とも過半数割れとなり、しかも公明が連立を離脱する野党側の最大の好機に、野党第1党の立憲民主党が政権交代を狙うのは当然だ。立民は野党をまとめるため国民民主党の玉木雄一郎代表を統一候補にしようとしたが、拒絶され頓挫した。

 理由は外交・安全保障はじめ基本政策の違いであり、参院選で示された有権者の判断を受けたものだ。国民民主の所得を増やす政策や参政党の保守政策が有権者から支持され、野党各党による単純な数合わせが通用しなくなっている。

 この傾向は、改革保守路線を掲げる自民・維新連立政権合意書に基づいて発足した高市内閣の高い支持率にも示された。結果として国会運営が順調に滑り出し、合意書の1番目に掲げた経済財政関連施策に記されたガソリン暫定税率廃止法案の臨時国会中の成立、電気ガス料金補助をはじめとする物価対策の裏付けとなる補正予算の成立、子供1人当たり2万円給付などは実行された。

 しかし、維新から絶対条件とされた定数削減については、自民・維新が提出した衆院議員定数削減法案の成立を断念し、来年通常国会での実現を目指すことになった。野党側でも立民は政治資金問題を優先するように主張し、国民民主は選挙制度改革を含めた検討を訴え、公明や共産党は定数削減に反対している。参院では与党少数のままであり、通常国会で法案を成立させるには賛成多数になるように熟議を尽くしてほしい。

 また、スパイ防止関連法案が参政や国民民主から提出されており、高市首相は同法制定の必要性を認めている。来年通常国会での制定を望みたい。

 国益に即した議論を

 一方、高市首相の台湾有事における存立危機事態発言を誘い、中国の発言撤回圧力を利用して首相を追及する立民、共産など安保法制に反対した“野党共闘”勢力の存在が注目を浴びたのは恥ずべき出来事だった。

 立民の岡田克也元外相の質問への首相答弁に対し、中国の外交官である駐大阪総領事が「汚い首は斬る」との発言をSNSで行ったこと以上に、中国の反日圧力に同調する一部野党の言動は極めて疑問である。日本の国益に則した議論を活発に行うべきだ。

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