
自民党と日本維新の会が連立政権樹立に当たって合意した条件の一つである衆院定数削減について、今臨時国会に法案が提出される方向だ。法施行から1年以内に与野党の具体論がまとまらない場合は小選挙区25、比例代表20の計45議席を自動削減する規定を盛り込むプログラム法案を検討しており、しっかりと合意形成を図りながら着実に進めてほしい。
1年後に自動減の規定も
公明党が連立政権から離脱し、10月に自民と維新が連立を組む際に合意した12項目の政策の中で「一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す」と明記した。その際、維新代表の吉村洋文大阪府知事は、大阪維新の会がまず行ったことは府議会の定数削減だったことを強調し、自民との連立に当たって衆院定数削減を絶対条件とする姿勢を示していた。
地方で有権者から直接選ばれる知事と議会との関係と、議院内閣制の国政とではスピードの違いはあるが、政治家自らが議員削減によって歳費を節約する「身を切る改革」を行うことは有意義だ。半面、過疎化が進んで小選挙区の区割り変更、削減の対象になりやすい地域から不満が出るのは必至であり、さらに各党の党利党略も絡む議論となる。いずれにせよ難産が予想される。
が、自民が少数となる国会では、高市早苗首相にとって衆院定数削減を実現することは維新との連立維持のため政権を懸けた必須課題である。ただ、維新と自民だけでは法案が通らない。衆院は維新を離脱した無所属議員3人の会派「改革の会」が自民会派に合流したことにより、与党は過半数を得ることになったが、参院はまだ少数のままだ。
このため衆院定数削減に理解を示し得る野党との間で合意を交わすことが肝要になる。自民と維新の政府・与党連絡会議で高市首相と吉村代表は、衆院定数削減法案について1年を期限とする各党協議での1割削減の合意を目指すとしている。もし1年で合意できなければ、維新側の要求により小選挙区25・比例代表20の計45議席の削減が自動的に決まる規定を盛り込むことになった。
自民内に賛否もあり、共産党や公明は反対、国民民主党は選挙制度改革を優先すべきと異論を突き付け、立憲民主党は政治資金問題を主張していく構えだ。高市首相は立民の野田佳彦代表との党首討論で、かつて当時の野田首相が自民の安倍晋三総裁との党首討論で定数削減法案に賛成するなら衆院を解散してもよいと訴えた例を挙げ、定数削減を促した。
この状況から与野党間の合意形成に当たっては、政治資金問題、選挙制度改革など包括的な議論の中で定数削減を進めていくことになるのではないか。
政治改革の端緒とせよ
連立合意書でも政党の政治資金のあり方について議論する協議体を今国会中に設置し、時代に合った選挙制度を確立する議論を主導することなどが書かれている。これら政治改革の端緒として自維連立与党の衆院定数削減法案の提出を求めたい。






