自民党と日本維新の会は、去る10月に結んだ「連立政権合意書」で、防衛生産・技術基盤を強化する観点から「防衛装備移転三原則の運用指針」の5類型を2026年通常国会中に撤廃することで合意した。
これを受け、自民党は高市早苗首相の指示を踏まえ、5類型の見直し・撤廃に向けた議論を開始した。
三原則が販路を制限
防衛装備移転三原則は、第2次安倍政権がそれまでの「武器輸出三原則」を改め、14年に閣議決定したもので、輸出先をわが国と安全保障上の協力関係がある国などに限定し、厳格な審査や適正管理の具体的なルールを「運用指針」で定めている。
運用指針は、戦車やミサイルなど殺傷能力のある装備品の輸出を共同開発国に限定し、それ以外の装備品は「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の5分野に限っている。
一方、近年各国から日本の防衛装備品に関心が寄せられている。例えばインドネシアは海上自衛隊の中古の潜水艦、ニュージーランドは日本とオーストラリアの共同開発が決まった最新鋭「もがみ」型護衛艦の取得に関心を示している。フィリピンとは中古の「あぶくま」型護衛艦の輸出に向けた協議が進められている。
しかし、殺傷能力が高い護衛艦や潜水艦は、現状では他国との「共同開発」と位置付けなければ輸出することができない。5類型が撤廃されれば、輸出できる装備品の種類が大幅に増え、殺傷能力の高い武器も輸出が可能になる。
武器輸出三原則から防衛装備移転三原則に枠組みが変わっても、防衛装備品の海外輸出に制約が伴うのは、武器輸出は紛争を助長する危険な政策との誤った考えが強いからだ。
そのため、日本の防衛産業は事実上、自衛隊向け装備品の開発・製造に販路が制限され、生産量の少なさから製造コストが高騰し、自衛隊は高額な装備品を取得せざるを得ない状況にある。また防衛産業は莫大(ばくだい)な研究開発費を投入する余裕を欠き、高性能の国産装備品を生み出すことも難しくなっている。
だが防衛装備移転三原則を定めた安倍政権は、「国家安全保障戦略」で、日本が国際社会の平和と安定の確保に積極的に関わっていくべきとの「積極的平和主義」を打ち出し、この考えは現在も継承されている。防衛装備品の輸出も、そうした考え方に沿った政策であるべきだ。
すなわち、日本が価値や理念を共有する友好国に防衛装備品を供給することで、関係を一層緊密なものとし、自由主義陣営の安保確保に貢献できる。防衛装備品の供給力を持てば、侵略国への提供を拒否することで国際紛争の抑制に寄与することも可能になる。中国の脅威が増大する中、東南アジア諸国への護衛艦や潜水艦の輸出は日本の安保にも資することは明らかだ。
公明離脱の機を逸するな
これまで5類型の制約見直しに反対していた公明党が自民党との連立から離脱した。
政府はこの機を逸せず5類型撤廃に踏み切り、武器輸出全面解禁へと政策転換を図るべきである。






