
日本とインドネシアの外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が開催され、東・南シナ海をはじめ海洋への進出を強める中国を念頭に力による一方的な現状変更の試みに「深刻な懸念」を表明し、防衛装備の移転、部隊間の共同訓練の拡充などで合意した。
両国の外交関係、安全保障における連携を強化すべきだ。
安保協力強化を確認
2プラス2では両国の安保協力強化が確認された。わが国が同志国を支援する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の枠組みを活用し、装備品供与を拡大する支援は新たな成果だ。小泉進次郎防衛相はシャフリィ国防相と海上自衛隊横須賀基地を視察。除籍する護衛艦の供与が検討されている。
また両国は、防衛当局の人的交流促進、部隊間の共同訓練拡充、連携強化のための軍事情報保護の議論などで一致しており、着実に推進すべきだ。
インドネシアは東南アジアの域内大国であり、世界15位の国内総生産(GDP)を持つ発展途上国だ。2億8572万人の人口のうち労働年齢人口は7割近くを占め、今後も経済成長が続くとみられている。
中国が最大の貿易相手国だが、排他的経済水域(EEZ)に中国船が侵入しており、中国の海洋進出に警戒を強めている。インドネシアは、インド洋と太平洋の結節点に位置し、特に世界有数のチョークポイントであるマラッカ海峡をマレーシア、シンガポールと挟んでいる海上交通の要衝だ。
南シナ海の領有を中国は国際法上認められていない「九段線」によって主張。インドネシアに対しても南シナ海南部のナトゥナ諸島周辺のEEZに艦艇を繰り返し侵入させている。
中国の海洋進出は、わが国においては沖縄県・尖閣諸島周辺での海警局船の常態化した領海侵入行為、フィリピンに対してはセカンド・トーマス礁をパトロールする沿岸警備隊の艦艇に海警局船が放水銃などを使って危険な妨害活動を続けるなど国際問題になっている。
わが国はフィリピンに護衛艦6隻を供与する。これに次いでインドネシアに海上の安全を支える装備を支援することは、中国の海洋進出への抑止効果を高める意義がある。中国は空母3隻を就役させ艦隊を編成し「第1列島線」と呼ぶわが国の南西諸島、台湾、フィリピン、インドネシアを繋(つな)いだ線の中国大陸側の公海を脅かしている。
これに対し、米海軍をはじめとして「航行の自由」作戦を行っているが、より多くの国が参加することで中国の一方的な動きを牽制(けんせい)する必要がある。
国際的枠組みに繋げよ
安保・外交面における日本との連携強化は「自由で開かれたインド太平洋」構想に不可欠である。この構想を推進する国際的枠組みや2国間同盟として、日米およびオーストラリア、インドとの4カ国における戦略対話「Quad(クアッド)」、米英豪3カ国の安保枠組み「AUKUS(オーカス)」、日米安保条約、米比相互防衛条約などが存在する。ここにインドネシアとの連携を繋ぐわが国の役割は重要だ。






