トップオピニオン社説自民結党70年 原点の憲法改正へ奮起せよ【社説】

自民結党70年 原点の憲法改正へ奮起せよ【社説】

 自民党が、結党70周年を迎えた。初代の鳩山一郎氏から現在の高市早苗氏まで28人が総裁として党を率い、結党の原点である憲法改正を成し遂げて、国際社会での日本の役割を自覚し責務を果たそうと尽力してきた。

 「政綱」に存在意義

 自民党は70年を機に、今後30年を見据えた新たな国家ビジョンの策定に着手したが、日本再建へ党綱領の「志」を継承し、改憲に向け一丸となって奮起してもらいたい。

 1955年のきょう、日本民主党と自由党の保守合同によって自由民主党が結成された。「暴力と破壊、革命と独裁を政治手段とするすべての勢力又は思想をあくまで排撃する」などの立党宣言を謳(うた)い、共産・社会主義勢力との保守革新対決時代(55年体制)の幕開けとなった。

 党の政策活動大綱(政綱)には、「正しい民主主義と祖国愛を高揚する国民道義を確立する」ことや、「現行憲法の自主的改正」を図り、占領諸法制を再検討し国情に即して改廃することなどが記されている。ここに自民党の存在意義がある。

 野党時代の2010年にも「綱領」が策定された。ベルリンの壁崩壊とソ連の解体により、「反共産・社会主義」の自民党が目的を達成したという勝利宣言を行った。半面、「独自の伝統・文化を失いつつある」と危機感を示し、「地域社会と家族の絆」を再生しつつ「日本らしい日本の姿を示し、世界に貢献できる新憲法の制定を目指す」ことを通じ、人類共通の価値に貢献する「有徳の日本」を建設する意義を強調している。

 こうした理念や目標を掲げながら、自民党は野党に転落した4年2カ月以外、与党として政権運営を主導してきた。しかし、社会党の村山富市氏を首班とした自民、社会、さきがけ3党による自社さ連立政権や、公明党との連立政権により、政権を維持すること自体が目的となり、党の使命達成を追求する「自民党らしさ」が失われてきた。

 「戦後政治の総決算」を標榜(ひょうぼう)し、国鉄・電電公社・専売公社の民営化を断行した中曽根康弘首相(当時)は、世界の平和と繁栄に積極的に貢献する国際国家日本を実現するため、改憲に努めたが達成できなかった。「誇りある独立国家」を目指し「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍晋三首相(同)も教育基本法の改正、外交・安全保障政策の転換や国民投票法の制定などを行い、戦後体制の象徴とされた憲法の改正に尽力したものの道半ばとなってしまった。

 その後の岸田文雄、石破茂両首相は、安倍氏の保守路線から外れリベラル路線へ傾斜することで、安倍氏が築いてきた保守岩盤層を壊してきた。衆参両院で少数与党へと転落させた石破氏は、衆参の憲法審査会会長のポストを野党の立憲民主党に渡してしまった。高市政権が改憲に積極的な日本維新の会と連立を組んだことで、改憲原案の条文起草協議会がようやくスタートしたのだ。

 格調高い新たな理念を

 70周年の国家ビジョンは来年3月の党大会で発表されるが、改憲への志と決意を新たにし、未来を牽引(けんいん)する格調高い新理念を示してもらいたい。

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