文部科学省の問題行動・不登校調査(2024年度)によると、不登校とされた小中学生が前年度より7488人増え過去最多の35万3970人だった。12年連続で増え、5年前に比べ約2倍になった。文科省は「極めて憂慮すべき状況が続いている」(児童生徒課)としている。
ただ登校を再開すればよいというものではなく、将来を見据えれば、年齢相応の学力を身に付け、人間関係を構築し、将来のあるべき姿を叶えられるような支援をしていかなければならない。
コロナ禍経て意識変化
不登校は病気や経済的理由を除いて年間30日以上登校していないことを指す。小学生は13万7704人、中学生は21万6266人で、小中学生全体の3・9%を占めた。公表された数字は氷山の一角であり、実際にはその4倍が“予備軍”だと言われている。理由は「学校に行く意味が分からない」「やる気が出ない」「生活のリズムが乱れ体調不良」「クラスメイトとのトラブル」などさまざまだ。
文科省は増加の一因として16年に成立した教育機会確保法によって「無理に学校に行かせることはない」という意識変化が生じたこと、コロナ禍の一斉休校が生活のリズムの乱れにつながったことを挙げる。また、学校以外の居場所、フリースクールの広がりもある。学校に行かなくても、インターネット学習やフリースクールを利用していれば出席扱いすることも不登校を助長している。
不登校の児童・生徒を支援する動きは文科省だけでなく、こども家庭庁、各自治体にも少しずつ広がっている。
文科省は学校、教育委員会、医療・福祉などの関係機関と連携し、地域全体で不登校の児童・生徒への支援を行っている。また、誰一人取り残されない学びの保障を実現するため、学校では対応を熟知しているベテラン教師を「校内教育支援センター」(教室に入れない子供が学べる別室)に置く体制づくりを進めている。
学校内外で相談・指導を受けられずにいる不登校の児童・生徒もいる。こども家庭庁は文科省と連携しながら、自治体に専門的知識を持った人員を派遣し、不登校の子供や保護者の相談を受け、問題点を明確にして関連施設との橋渡しをする“コーディネーター”を育てようとしている。同庁は支援メニューの開発・実証や、支援体制を構築するモデル事業(全国20自治体)を実施している。
辛い事情・心境の理解を
不登校の児童・生徒は一人一人違った辛(つら)い心を持っている。保護者は「なぜ行かないの」とイライラして指弾してしまう。忙しい昨今、無理もないが、一番やってはいけないことだ。
心身共の“エネルギー基地”となる学校の先生や保護者が話し合いながら、不登校の子供たちの苦しい事情・心境を理解し、「どんな人間になりたいのか」という将来の希望を見据え、勉強をしたり、人間関係を築いたり、社会性を身に付けたり、自己肯定感を高めたりできるよう寄り添い、必要なら公的機関の支援を受けられるよう手助けしてあげることが必要だ。





