
夏休みが明けた。学校によって2学期制、3学期制とまちまちだが、9月の初めは小中高生の自殺や不登校が多くなる時期だ。精神的苦痛が大きな原因だが、その“症状”の出方は千差万別である。
子供の心の状況を学校の先生、保護者が愛情豊かに見守ってあげ、些細(ささい)な変化や異常を察知して大事になる前に対処したいものだ。
環境の激変時に注意必要
文部科学省や厚生労働省などの調査によると、近年、小中高生の自殺者は年間500人を超え、増加傾向にある。特に、多くの学校で新学期が始まる9月1日は全体の3割近い150人近くになっている。
原因はさまざまだが、学校、家庭、友人関係で起きる精神的プレッシャーが大きいようだ。2024年に自殺した小中高生の原因や動機を見ると、複数回答で、学業不振や進路に関する悩みなどの学校問題が272件で最も多く、うつ病などの健康問題が164件、親子関係の不和などの家庭問題が108件と上位を占めている。
夏休み中のダラダラした生活から学校に通う通常の生活に戻すことは簡単ではない。長時間SNSで交流したり動画などのサイトを見たりし、昼間寝て夜起きているような乱れた生活から一気に学校生活に戻ることは難しい。SNSでつながった友人から「返信が遅い」と仲間外れにされたり、夜遊びに誘われたりする。
休み中の宿題や提出物、読書感想文、自由研究をやっていない。新学期が近づいて、親から「何で早く済まさなかったの!」と叱られることも多くある。中学受験、高校受験、大学受験を控えた子供は、思ったように成績が上がらず、進路について悩み、家族や先生との意見が噛(か)み合わない。
家でも学校でも友人関係でも追い立てられ、行き場を失った子供は八方ふさがりになってしまう。学習指導要領の中に多様性の包含という言葉がある。子供たちは、いじめる気がなくてもきつい言葉を平気で使ったりする。経済格差、学力格差、日本になじめない外国人、宗教、生活習慣の違いなどを奇異な目で見てしまう。
学校側も不十分ではあるが、ストレスマネジメント、アンガーマネジメントの授業を取り入れたり、スクールカウンセラーに相談する場を設けたり、保健室学習を取り入れたりしているところもある。保護者も先生も忙しく、なかなか時間を取ることができない。だが、日ごろから些細な変化を見極める温かい目を持ち、存在価値を認めてあげ、子供の自尊心、自己肯定感を高めるよう接していくことが肝要だ。
相談窓口を“最後の砦”に
厚労省が開設しているサイト「まもろうよこころ」では「よりそいホットライン」「24時間子供SOSダイヤル」などの電話相談窓口や「自殺対策支援センターライフリンク」「あなたのいばしょチャット相談」のようにLINEなどSNSやチャットで相談できる団体を紹介している。子供だけでなく、保護者も“最後の砦(とりで)”として、こうした相談窓口に連絡してほしい。






