トップオピニオン社説自民参院選総括 首相続投で再生できるのか【社説】

自民参院選総括 首相続投で再生できるのか【社説】

自民党役員会に臨む石破茂首相(右)と森山裕幹事長=2日午前、東京・永田町の同党本部

自民党は参院選大敗の結果を受けて両院議員総会を開き、参院選の総括文書を報告するとともに森山裕幹事長ら党四役が辞意を表明した。

しかし、石破茂首相は続投の意思を変えておらず、国政選挙で連続して与党過半数割れを招いた敗北結果に総理総裁の進退が問われない総括は、同党を過半数を目指さない政党に変える可能性がある。

党四役が辞意伝える

参院選総括の報告書は「国民政党としての再生に向けて」と題され、敗因を分析し課題を列挙している。敗因として①石破内閣の支持率低迷により自民党の基礎体力が低下した②縮んだ自民党支持層も固め切れなかった③無党派層への訴求力も不足した④若年層・現役世代と一部保守層の流出を招いた――の項目で説明している。

これらの敗因は、筆頭に内閣支持率低迷がもたらしたものであると指摘している通り、「選挙の顔」となる首相によるところが大きいはずだ。だが、支持が離れた要因として衆院選大敗後の首相続投の是非に言及していない。

国民の厳しい現状に寄り添えなかった、物価高対策が刺さらなかった、「政治とカネ」の不祥事で信頼を喪失した、東京都議選敗北と選挙中の不用意発言で負のアナウンス効果が生じた、若年層・現役世代と一部保守層の流出、支持離れを生じさせた――などはその通りだろう。

石破氏は「選挙は最終的に当然のことだが、総裁たる私の責任だ」と述べ、多くの議席を失ったことを陳謝した。「責任を取るべく退任させてほしい」と辞意表明した森山氏のほか、鈴木俊一総務会長、小野寺五典政調会長、木原誠二選対委員長も辞意を伝えた。

だが、行動は言葉よりものを言う。石破氏に首相を辞する行動はなく、両院議員総会では、「ある意味で石破らしさというものを失ってしまったと思っている」と述べた。敗因は自分の描く政治を行い得ていないからだと考えている節がある。

報告書は結びに「党再生への誓い」として、「わが党は党を一から作り直す覚悟で解党的出直しに取り組み、再び国民に信頼され負託に応えられる真の国民政党に生まれ変わることをここに誓う」と宣言した。誰が「作り直す」かが問題だ。

石破氏に総裁としてそれをする資格があるか否かは、自民党が臨時総裁選を行う党則上の手続きにおける結果に委ねられている。だが、衆院選、参院選で与党過半数割れの重大な結果にかかわらず、石破氏の続投を許せば政権の求心力は低いままで党内の緊張感は弛緩(しかん)するだろう。

過半数でなくていいのか

報告書には、「一方で、最大野党の立憲民主党は批判票を引き寄せる受け皿とはなり得なかった。結果として、『安定政権を崩す』こととなったが『新たな信任勢力を作る』には至らず、多党化した政治地図が現出した」との一文がある。

過半数は取れなくても比較第1党であればいいという安堵(あんど)感さえ伝わる。野党の弱さの問題も大きいが、石破氏続投なら自民党総裁は選挙に負けてもいい前例を作ることになる。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »