トップオピニオン社説自民党両院総会 「総括」踏まえ退陣表明を【社説】

自民党両院総会 「総括」踏まえ退陣表明を【社説】

参院選に大敗しながら続投を貫く石破茂首相と、早期退陣を求める一部の自民党国会議員の争いが激化している。国民不在の内輪もめをこれ以上続けることは「国益」に大きく反する。早急に解決するためにも、首相は8月末をめどとする参院選総括を踏まえ退陣表明をすべきである。それが難しければ、総裁選を前倒しして実施することを求めたい。

首相居座りで悪い影響

自民党は先月の両院議員懇談会に続き、両院議員総会を開催した。懇談会は、執行部が「石破降ろし」に先手を打つため開いたものだが、非公式な意見交換との位置付けだった。そのため、非主流派の旧安倍派、旧茂木派、麻生派の議員らが議決権のある総会の開催を求めていた。総会は党大会に次ぐ重要な意思決定機関である。

石破首相は総会の冒頭、参院選の結果について「心からおわび申し上げる」と陳謝。一方で「引き続き日本国に責任を持つために、意見を承りたい」と続投への意欲を語った。

本来であれば、参院選を陣頭指揮した森山裕幹事長と石破首相の引責辞任こそが筋のはずだ。しかし、その意思がないのであれば、自民党は総裁選を前倒して実施し、新たな総裁を選出して国政の舵(かじ)取りを任せるしかあるまい。

総会では、早期退陣論と共に総裁選前倒し論が相次いだ。総裁選を実施するか否かは、総裁選挙管理委員会が党所属衆参両院議員と47都道府県連に意思確認をし、過半数の賛同があれば実施されることになった。ただ党内手続きの開始は、参院選総括を済ませた後になる。

石破首相は総会翌日、参院選大敗の責任について「党で進んでいる総括も踏まえ、適切に考えたい」とも述べた。「適切に」の意味するところは不明だが、少なくとも、その時点での退陣表明を強く求めたい。

首相の座右の銘は「鷲鳥不群(しちょうふぐん)」。ワシやタカのような強い鳥は群れず「大義を持つ人はあえて孤高の道を選ぶ」というもの。だが「信なくば立たず」の政治の世界で、民意を無視しての居座りは、政権のパワーを弱めるだけでなく対外交渉力にも悪い影響を及ぼす。

自民党内のゴタゴタがあまりにも長く続いていることも問題だ。自民党大敗の結果が明確になった7月20日から、すでに20日以上も経過している。その責任者が「国益」を強調し「政策課題に全力で取り組んでいきたい」と強弁するため、「石破降ろし」が勢いづいているのだ。国民の視線は「国民不在の権力闘争」と極めて冷たい。

注目したいのは、参院選総括の内容が解党的出直しを決断できるほど深刻かつ的確な分析となるかだ。単に党の顔を問題視し、代えることが第一とするだけでは足りない。

党再起へ原点に返れ

自民党は11月、結党70周年を迎える。参院選では比例代表で3年前の前回選挙より約545万票減らしたが、自民党を長年支えてきながら離れた多数の保守層を取り戻し、結党の原点に立ち返る意思を示さなければ、党の再起はあり得ないことを肝に銘じるべきだ。

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