きょうは「海の日」。「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日である。四方を海に囲まれた日本は大きな恩恵を受けている。それだけに汚染などから海の環境を守る大きな責任がある。
生態系破壊するプラごみ
毎日のように食卓に上る魚をはじめとした海産物。海はわれわれの生活と密接につながっている。食料など多くの物資が海上輸送で入り、自動車などの製品が海を渡って輸出される。
近年頻発する豪雨被害の主な原因は、海水温度の上昇であることが明らかとなっている。海の環境変化がもたらす影響がいかに大きいかを考え、海洋の環境保全にもっと関心を持ち、普段からそのために何ができるかを考えるようにしたい。
大気中の二酸化炭素(CO2)が増え、それが海水に溶け込む量の増加によって海洋の酸性化が進んでいる。CO2の海への吸収量は全体の20~30%に上る。酸性化が進むと、炭酸カルシウムで骨格や殻を作っているプランクトンや貝類、甲殻類が減少し、それを餌にする魚類も減ってしまう。
酸性化と共に海洋生態系を破壊しつつあるのが、海に流れ込んだプラスチックごみだ。今のままだと2050年には魚よりもプラスチックごみの方が多くなるとの推計もある。ペットボトルなどが劣化して5㍉以下の欠片となったマイクロプラスチックが海洋生態系に与える深刻な影響が懸念される。
プラスチックごみの中には、漁具なども含まれるが、7~8割は陸上由来でわれわれの生活ごみである。買い物でのマイバッグの利用などによるプラスチックごみの削減、分別収集など生活の中でできることは多い。
植物などを原料とするバイオマスプラスチックと自然界で分解される生分解性プラスチックなどバイオプラスチックの普及も重要だ。21年には環境省、経済産業省、農林水産省、文部科学省が共同で「バイオプラスチック導入ロードマップ」を策定し、30年までにバイオマスプラスチック200万㌧を導入する目標を設定している。われわれ消費者の側も、バイオプラスチックの利用が海洋環境を守ることに繋(つな)がるとの意識を高め、利用を進めていきたい。
海洋環境に対する日頃からの意識、関心がその保全の鍵を握るとも言える。そういう面で海洋教育がますます重要になっている。海洋への関心の高まりを背景に、17年に改訂された小中学校社会科の学習指導要領で海洋・海事の記述が充実し、国土交通省は授業の参考となる「海洋教育プログラム」を作成した。これをさらに充実させたい。
海洋教育を充実させたい
海洋教育の充実は、子供たちが環境問題に関心を持つだけでなく、海の魅力とその大きな可能性について知る機会となる。日本は広さ世界第6位の排他的経済水域(EEZ)を持ち、そこにはレアメタル(希少金属)やレアアース(希土類)の大きな資源が眠っていることなどもしっかり伝えたい。
このような教育を受けた子供たちの中から、船員ら海で活躍する未来人材が育つことも期待できる。






