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参院選投開票 国益守る人材を見定めよ【社説】

街頭演説に集まった有権者ら=17日午後、岡山市北区

3日公示の参院選が明日、投開票日を迎える。与党の自民、公明が過半数を維持し石破政権が踏みとどまるか、野党が衆参両院で多数を占め、昨年の衆院選、今年の東京都議選と連敗した石破茂首相に改めてノーを突き付けるか。今回の参院選は「政権選択」の意味合いが色濃い。

内向きの論戦目立つ

有権者は、物価高対策や社会保障、外国人政策のみならず、対米関係の在り方や国際安全保障を視野に入れた「良識の府」に相応しい国益を守る人材を見定め投票してもらいたい。

各政党・個人が選挙戦序盤から最も力を入れて訴えたのは物価高対策だった。自公は、1人当たり2万~4万円の給付案に理解を求め、医療・年金・介護の財源となる消費税を「傷つけてはいけない」と訴えた。一方、野党各党は、消費税減税または廃止を強調した。

だが、どちらも国民の関心を引き、票につなげることに熱心で中長期的な経済成長にどう結び付けていけるかの戦略が見えなかった。外国人政策では、各党の政策がバラバラで与党間での違いも際立った。選挙戦中盤に入って、年金や医療、子育て支援など社会保障の在り方を巡って活発な論戦が展開された。これらは全て重要なテーマであるが、内向きだ。

顕著だったのは、自民が憲法・外交・安全保障などを議論する土俵をつくって対立軸を示そうとせず、受け身の選挙戦に陥ったことだ。昨年の衆院選では、安倍晋三元首相が常に口にした、歴史と伝統を重んじ憲法改正の重要性を強調する「自民党らしさ」が弱まり、保守岩盤層の溶解が実証された。

この自民の変貌を招いたのは、戦後体制からの脱却を目指した安倍氏の政治目標を無視してLGBT理解増進法の制定に懸命となり、家庭を守る保守政党としての役割を喪失し、「政治とカネ」などの問題で世論に迎合して延命を図った岸田文雄前首相による失政だが、それを克服できる理念を持たず、胆力のない石破首相も自民党色を出せず、保守層はさらに崩れた。

聞きたかったのは、安全保障面でのもっと活発な論戦だ。米のイラン攻撃、パレスチナ自治区ガザ問題、高まる米露の緊張、中国の覇権・拡張主義など激動する国際情勢の中で、日本の役割は何か。米国防総省高官が、台湾有事で米中が軍事衝突した場合の日本とオーストラリアの役割分担を明確にするよう求めた。台湾有事は日本有事でもあることを踏まえれば、真剣な議論と回答が必要なはずだ。

野党側も石破政権批判に終始した。政権奪取を図るなら、国家像を示し、どう実現していくかの中長期的な戦略案を国民に提示すべきでなかったか。立憲民主党の野田佳彦代表は、「コメは買ったことがない」と発言した江藤拓前農林水産相の地元・宮崎県で第一声を行い、「令和のコメ騒動の震源地だ」と批判しつつ、「責任ある減税」を訴えた。だが、財源を示さず訴えても責任政党の資格はない。

世論に惑わされるな

ムードや世論の動向に惑わされず、主張の裏付けがあるか否かや外交、安全保障政策なども吟味して選択すべきである。

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