トップオピニオン社説ゴールデンドーム 中露朝の核脅威を取り除け【社説】

ゴールデンドーム 中露朝の核脅威を取り除け【社説】

5月20 日、ホワイトハウスで、新たなミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」について発表するトランプ米大統領(EPA時事)

トランプ米政権が推進する次世代ミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」は、相手国の核攻撃を無力化する壮大な計画であり、核恫喝(どうかつ)を繰り返しながら力による現状変更を進めるロシア、および核軍拡を続ける中国、北朝鮮の脅威を封じる切り札として期待される。同盟国のわが国も同構想に協力し有効なミサイル防衛体制を構築すべきだ。

ミサイル上昇段階で迎撃

ロシアは米国のミサイル防衛網を無効化する新兵器として極超音速ミサイルを開発してきた。その土台の上で核戦力に自信を深めたプーチン大統領は2022年2月、米国など北大西洋条約機構(NATO)諸国に核恫喝を行いながらウクライナ軍事侵攻を開始した。

核抑止戦略である相互確証破壊(MAD)が機能するかは、核保有数、攻撃力、迎撃力に加え相手国の地理的要素にも左右される。世界一広い国土を持ち耐久力のあるロシアが極超音速ミサイルによって攻撃力を高め、米国の核抑止および同盟国に“核の傘”を提供する拡大抑止の力は低下した。ゴールデンドームに着手した米国の危機感は並々ならないと言える。

ロシアはウクライナ攻撃に極超音速ミサイル「キンジャル」を使用し、迎撃不可能な攻撃力を示した。キンジャルは核搭載も可能だ。このため米軍のNATO離れが懸念され始めた。

またロシアは、ウクライナ侵攻後間もない22年4月、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」の発射実験成功を発表し、23年9月に実戦配備したことを明らかにした。大気圏に突入したICBMから切り離される核搭載可能な極超音速滑空ミサイル「アバンガルド」は、19年12月から配備されたとロシアメディアは伝えている。

現在米国が配備している高高度防衛ミサイル(THAAD)、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)は、ミサイルが大気圏に再突入して着弾に向かうターミナル段階での迎撃を目的とするが、地上や海上から極超音速ミサイルを迎撃することは不可能とみられている。

さらに、世界の主要な核保有国が極超音速ミサイルを配備する流れは止められない動きだ。中国、北朝鮮も極超音速ミサイルの開発を進めており、中国は極超音速ミサイル「DF―ZF」を19年に実戦配備した。北朝鮮は今年1月、新型の極超音速中距離弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表した。

この中でトランプ大統領はゴールデンドーム構想を発表し、発射後のミサイルが上昇するブースト段階で宇宙空間から迎撃する次世代ミサイル防衛システムの構築に着手した。相手国の核戦力を骨抜きにする大きな試みだ。最先端の人工知能(AI)技術で発射されたミサイルを探知し軌道を追跡し、宇宙空間に迎撃衛星の網を張り巡らせて迎撃するシステムの開発をトランプ氏は任期が終わる29年1月までに果たそうとしている。

わが国も積極的に協力を

壮大な計画だが、わが国も同盟国として米国の次世代ミサイル防衛開発に積極的に協力することで、トランプ政権との信頼関係を強化し、アジア太平洋の平和と安定に寄与すべきだ。

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