トップオピニオン社説TBSセクハラ 性モラルの欠如が問題だ【社説】

TBSセクハラ 性モラルの欠如が問題だ【社説】

東京都港区赤坂のTBS放送センター(加藤玲和撮影)

人気タレントの「性暴力」に端を発したフジテレビ問題が波紋を広げている。TBSもセクハラ事案4件を確認した。芸能人らによるセクハラで公表されたケースは氷山の一角だろう。これを機にテレビ局、芸能事務所は関係者の性モラル指導を徹底し、業界からセクハラ・性スキャンダルを一掃すべきだ。

番組出演者の事案4件

中居正広氏による女性への人権侵害が表面化したのを受け、TBSは1月から社員と芸能関係者との会食の実態把握調査を行った。2月には会食参加者による不適切な言動は確認できなかったと報告した。

だが、今回の追加報告は、過去に番組出演者による社員へのセクハラ事案が4件あり、その被害の訴えへの社の対応も不十分だったと明らかにした。国民のテレビ離れが進み、報道に対する信頼も低下しているが、その影響力はまだ大きい。責任の重さに反し、性モラルの低さとセクハラに甘い体質が改めて浮き彫りとなった形だ。

4件の事案の一つは15年前、番組の懇親会でアナウンサーが出演者にキスを迫られた。その場にいたプロデューサーら番組関係者は止めなかった。また25年前、アナウンサーが番組収録の際、出演者から舞台袖で身体接触を受けた。被害者は「やめてください」と訴えスタッフも注意したが、出演者の態度はその後も変わらなかったという。

社の対応が不適切になった原因について報告は「当時、ハラスメントに対する当社の認識が不足しており、研修や相談体制なども不十分だった」と記した。しかし、被害者の一人は「昔だから仕方ないという考えはやめていただきたい。心の傷となって、話すまでかなり時間がかかった」と語っている。セクハラ被害の深刻さがうかがえる。調査報告は「こうした声を重く受け止め、当社が社員を守れなかった事実を深く反省し、被害を受けた方々に改めてお詫びする」としている。

一度、調査しながらも、その後調査を続け、確認されたセクハラ案件を公表したことは評価できる。しかし、加害者に対する調査は実施したのか。もし行ったのであれば、反省や謝罪の言葉があったのか知らせるべきだが、それは記しておらず調査の不十分さも感じられる。テレビ出演を続ける加害者への忖度(そんたく)があるのであれば遺憾だ。

中居氏による女性アナウンサーへの性暴力という重大な人権侵害を認定したフジ第三者委員会の報告書は類似案件として、有名お笑いコンビの一人が同社の女性社員の前で下半身を露出したことを挙げた。その後、該当する芸能人は謝罪のコメントを発表している。

関係者は傲慢さ猛省を

最近、NHKアナウンサーや人気俳優の不倫が週刊誌で報道されている。ラジオ番組プロデューサーが女性宅への住居侵入容疑で逮捕される事件も起きている。メディア出演者らによる事件やスキャンダルは以前から続いている。有名人であることで自分を特別視する傲慢(ごうまん)な心があり、それが性モラルの欠如につながっているのではないか。テレビ・芸能関係者は猛省すべきである。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »