【社説】小池都知事3選 立憲・共産の共闘は逆効果

プラカードを掲げて・蓮舫候補者演説を聞く有権者=6日・東京都、新宿駅南口で
プラカードを掲げて・蓮舫候補者演説を聞く有権者=6日・東京都、新宿駅南口で

東京都知事選挙は、自民・公明両党が支持した現職の小池百合子氏が勝利し3選を果たした。立憲民主党が日本共産党と共闘して支援した蓮舫氏は、新人で若手の石丸伸二・前広島県安芸高田市長にも敗れ3位と惨敗した。基本政策の異なる政党が「反自民・非小池」を前面に押し出して戦っても無党派層の得票には結び付かず、逆効果だったことを証明した。今後行われる予定の衆院総選挙での野党協力の在り方にも影響しよう。

 自民も事実上の敗北

小池氏は公務をこなす合間に街頭で2期8年の実績をアピールした。他陣営への言及は避けつつ、子育て支援や防災対策など現在実行中の政策に触れながら今後のスケジュールを紹介するなど現職らしい手堅さが評価された。3期目ともなると集大成が期待される。都政に集中し少子高齢化や首都直下地震、豪雨への対策など緊急を要する政策を着実に進めてもらいたい。

一方、「オール東京」を旗印に掲げながら実質は共産の支援を全面的に得た蓮舫氏にとって、大差での敗北は誤算だったろう。共産は都知事選に絡めて蓮舫氏の顔写真を印刷した募金ビラを「夏期募金」集めに利用。蓮舫氏の街頭演説には田村智子委員長や志位和夫議長が駆け付けた。自民の政治資金問題を叩くなど国政の問題を都知事選に重ねて批判したが、浸透しなかった。むしろ、既成政党の推薦や支持を受けず、「東京を動かそう」と政治再建を掲げてSNSや動画サイトなどを使った石丸氏に若年層や無党派層の票が流れた。

立民としては、4月の衆院3補欠選挙で全勝し、5月の静岡県知事選でも推薦候補が当選するなど連勝の上げ潮ムードに乗り、都知事選でさらに勝利して一段と弾みを付け国政選挙に臨む算段だったろう。立民幹部は「敗戦をよく検証する」と語るが、連合の支援を受けられず、他野党との協力を難しくする共産との共闘が得策でないことを認識すべきだ。

自民は今回、独自の候補を擁立できなかった。小池氏の出陣式や街頭演説にも姿を見せず水面下での応援となった。それにもかかわらず、小渕優子・自民選対委員長は「今後の全国における選挙にも大きな弾みになる」と述べたが、現場感覚とは大きく異なる。現実は極めて厳しいのである。

知事選と同時に投開票された都議補欠選挙(9選挙区)で、自民は8選挙区に候補者を擁立しながら2議席しか獲得できず、事実上敗北した。前回の5議席よりも3議席減らしている。全ての選挙区で派閥パーティー収入不記載事件の逆風が直撃し、大苦戦となった。すなわち、「政治とカネ」の問題は未解決なのである。

 信頼回復への道半ば

先の通常国会での改正政治資金規正法成立を受け、「政治とカネ」の問題の幕引きを図りたい岸田文雄首相だろうが、政治の信頼回復が道半ばであることが補選で明確になったのである。それをしっかりと受け止め、自らの問題として対処しなければ、過去最低を更新中の支持率のアップは望めないし、9月の総裁選も厳しい戦いになろう。

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