トップオピニオン社説【社説】両陛下御訪英/深められた「永遠の絆」

【社説】両陛下御訪英/深められた「永遠の絆」

天皇、皇后両陛下の国賓としての英国御訪問は、日英両国の絆を深めるものとなった。日英のパートナーシップは、今日の世界において自由、民主主義、法の支配という共通の価値が脅かされる中、その重要性を増している。今回の御訪問で日英の関係が一層強固になったことを喜びたい。

皇室の役割の大きさ示す

天皇陛下はバッキンガム宮殿での晩餐(ばんさん)会のスピーチで、日英の今後について「永続的な友好親善と協力関係を築いていくことを心から願っています」と語られた。チャールズ国王も「日英両国民の永続的絆」に言及し、「私たちは諸外国とは異なる絆を共有しています」と語った。

チャールズ国王は、徳川家康がジェームズ1世への書簡に「雲と潮により何千里も隔てられてはいても、我々の領土はまるで近接しているかのよう」と書いたことを紹介した。日英の安全保障や環境問題、科学技術などの分野での協力、交流は、かつて外交辞令だったものが、今や現実となりつつあることを示している。

今回の御訪問は、創造的な日英関係を築く上で皇室の果たす役割の大きさを改めて示した。大正10年、皇太子時代の昭和天皇が訪英し、ジョージ5世から立憲君主としての在り方を学ばれた。昭和46年には昭和天皇が再度訪英され、50年にはエリザベス女王が来日した。

日英の特別な関係を重視される天皇陛下だが、令和2年に計画されていた公式御訪問は、コロナ禍で延期され、その後エリザベス女王が亡くなった。令和の即位の礼には当時皇太子だったチャールズ国王が参列している。そして今回、念願の御訪英が果たされた。

オックスフォード大学に留学された天皇陛下にとって、英国は思い出深く、特別な国である。また、皇后陛下もオックスフォード大学への御留学の経験がある。英国の心に通じる両陛下の御訪問は、歴史的な親善の上にさらに美しい花を咲かせるものとなった。

公式日程を終えられた天皇陛下は「本当に多くの方々から大変温かい言葉を掛けていただき、非常におもてなしをいただいたことを大変うれしく思っております」と語られた。英国はユーラシア大陸の西端、日本はその東端にあり、地理的距離は遠い。しかし、君主を戴(いただ)く島国であるという共通点がある。他の国々とは異なる深い理解と協力の可能性を秘めている。

世界を牽引する日英に

チャールズ国王はスピーチで、両国の友情は国際ルールと制度の重要性に対する相互理解に基づくものであると述べた上で「今日、私たちはこれらの原則がかつてないほど問われる世界に直面しています」と指摘。「私たちが共有している自由、民主主義、法の支配という普遍的価値観が今ほど重要になったことはありません」と強調した。

両国のパートナーシップが強固となり、さまざまな協力関係が深化することは、両国にとって益となることに止(とど)まらない。これら人類の普遍的価値の追求や英国王も高い関心を持つ地球環境問題などで世界を牽引(けんいん)していくことが期待される。

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