【社説】皇位安定継承 皇族数確保は「皇統」前提に

皇位の安定的な継承に向けた皇族数の確保に関する与野党協議が始まった。与野党とも「男系男子」の皇統を守るという点で概ね意見が一致しており、この原則に沿って今国会中に結論を出すべきだ。

与野党協議が始まる

現在、未婚の皇族は秋篠宮皇嗣殿下の長男、悠仁親王殿下のほかは、天皇、皇后両陛下の長女、愛子内親王殿下はじめ5人全員が女性だ。皇室典範は、女性の皇族が結婚した場合、皇族の身分を離れると定めている。このため、皇族数の確保が大きな課題となっている。

2021年末に、国会に提出された政府の有識者会議の報告書は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する、旧宮家の男系男子が養子として皇籍に復帰する――の2案を示した。これでも皇族数を確保できない場合は、皇統に属する男系男子を法律によって直接皇族とする案も提示した。

1回目の与野党協議では、日本共産党を除いては前出の2案で意見がほぼ一致した。皇室典範が定める皇位継承の原則は皇統に属する男系男子だ。安定的な皇位継承のためにも、この原則を変えるべきでない。皇統が初代神武天皇から今上陛下まで126代、「皇紀2684年」を数えるのは、男系の原則を守ったからこそ可能となっているのである。

世界に類を見ない日本の伝統文化の核として、皇室に国際的な羨望(せんぼう)の目が注がれるのはこのためだ。皇族数の確保もこの原則を前提に考えるべきである。

立憲民主党は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する場合、その配偶者と子にも皇族身分を付与することを検討すべきだとしている。自民党や公明党はこれに反対している。母方が天皇の血を引く「女系天皇」につながるからだ。われわれも皇統の断絶につながる議論は必要ないと考える。

立民は2019年6月に発表した論点整理では、女系天皇を容認していた。今年3月の論点整理ではそこまで踏み込んでいないが、党内では容認する意見もある。

確かに、女性天皇はこれまで8人10代実在した。しかし、男系男子が皇位を継ぐまで1代に限った即位だった。秋篠宮皇嗣殿下と悠仁親王殿下がおられる現時点では、これも必要ない議論である。

皇室を存続させることができるのであれば、時代の変化に合わせ女系を認めてもいいのではないかとの意見がある。

しかし、これは「万世一系」の皇統を途絶えさせることを意味し、皇位の権威を失わせるとともに皇位継承を不安定化させてしまう。自民だけでなく、他の野党も強く反対する案を持ち出すのは「立法府の総意」を取りまとめるのを難しくするだけである。

「女性宮家」の検討不要

さらに、立民は「女性宮家」の創設についても検討すべきだとしている。

しかし、万が一の時に天皇を輩出し、皇統を守るのが宮家の役割である。女性宮家の創設は事実上、女系の容認である。これも皇統の断絶を意味するから、検討するまでもない。

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