【社説】台湾東部地震 救援活動や復旧を支えたい

台湾東部の花蓮沖で大きな地震が発生し、10人が死亡したほか1000人以上の負傷者が出た。現在も山間部で600人以上が孤立し、いまだに安否不明の人もいる。

台湾当局の救援活動や被災地の復旧を日本も支えたい。

沖縄でも津波を観測

日本の気象庁は地震の規模をマグニチュード(M)7・7と推定。震源に近い花蓮では震度6強を観測した。台湾では2400人以上の死者を出した1999年の大地震以来、最大規模の地震で、日本でも沖縄県・与那国島と宮古島で30㌢、石垣島で20㌢の津波が観測された。

台湾東部の観光名所、太魯閣(タロコ)渓谷のホテルと近隣施設では約500人が孤立している。キャンプ場や避難所となった小学校施設でも計100人以上が救助を待っている。ホテルの日本人女性2人はヘリコプターで救出された。

上川陽子外相は被災地を支援するため、日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会を通じ、100万㌦(約1億5000万円)規模の緊急無償資金協力を行うと発表した。救援や復旧に向けた人員派遣も、台湾から要請があればすぐに行動に移せるよう備える必要がある。

地震を受け、岸田文雄首相は自身のX(旧ツイッター)に「大変心を痛めている」「必要な支援を行う用意がある」などと投稿。これに対し、台湾の蔡英文総統もXで「改めて台湾と日本の友好を感じた」と感謝の意を表明した。

かつて台湾は東日本大震災の際、世界でも最高レベルとなる約200億円の義援金を日本に送った。能登半島地震の義援金も25億円以上に上る。日本が大規模災害に見舞われた時、いつも温かい支援の手を差し伸べてくれた台湾に今こそ恩返しすべき時である。

台湾では1月の総統選で当選した与党・民進党の頼清徳副総統が、5月に総統に就任する。蔡氏と同様に日米など民主主義国との連携を重視する頼氏が総統を務めることは、日本にとっても望ましい。今回の地震を巡っては中国も救援の意向を表明したが、台湾は「(中国)大陸側に災害救助に協力してもらう必要性はない」として断った。

台湾統一を目指す中国は、総統選の際も親中的な候補の当選に向けて「一つの中国」原則を認めない民進党政権のイメージ低下につながる偽情報をSNS上で拡散した。こうした中国への警戒を強める台湾が、支援の申し出を拒否したのは当然だと言えよう。

頼新政権の発足を控え、日本は台湾との一層の関係強化に努めなければならない。中国の脅威増大を念頭に、台湾との安全保障関係を定めた米国の「台湾関係法」と同様の法整備を検討すべきだ。

内外の支援に経験活用を

一方、日本では能登半島地震発生から3カ月が経過したが、復旧は道半ばだ。ボランティアの受け入れ態勢整備や仮設住宅建設のペースを上げ、被災者の負担を軽減する必要がある。

能登も含め、日本では多くの大規模災害が発生した。今後の国内外の災害支援に復旧・復興の経験を活用すべきだ。

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