トップオピニオン社説【社説】辺野古訴訟 知事は敗訴を重く受け止めよ

【社説】辺野古訴訟 知事は敗訴を重く受け止めよ

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を巡る代執行訴訟で、最高裁第1小法廷は沖縄県の上告を退ける決定をした。これにより県側敗訴とした高裁支部判決が確定した。

移設工事に大幅な遅れ

移設に関しては、埋め立てが予定される海域の一部(大浦湾側)で海底の地盤に軟弱な部分が見つかったため、防衛省は地盤の改良工事を含む設計計画の変更を県に申請。しかし、移設絶対反対を訴える玉城デニー知事は調査不足などとして承認しなかった。

そこで国が県に是正指示を出し、最高裁もこれを「適法」と判断したが、それでも県は従わなかった。移設工事が遅延することを危惧する国は、県の代わりに承認手続きができる代執行に向けて訴訟に踏み切った。代執行とは国が都道府県に委ねている「法定受託事務」の執行を知事が怠った場合、担当相が代わりに行う手続きをいう。

福岡高裁那覇支部は2023年12月、県が承認義務を負った後も対応しないのは「法令違反」と指摘。代執行の要件を満たすと判断し、県に承認を命じた。だが、県はこの判決をも不服とし上告していたものである。敗訴確定で、県は工事を停止させる法的な手立てを失った。

上告で代執行を止めることはできず、国は判決確定前に設計変更を承認し、24年1月から改良工事を進めている。滞っていた工事がようやく動きだしたが、移設に反対する県が法廷闘争を繰り広げてきたため、既に工期は大幅な遅れが出ている。

玉城氏は「移設反対は沖縄県民の総意」とし、執拗(しつよう)に反対を続けている。2月に木原稔防衛相が沖縄を訪問し、移設への協力を求めた際も「直ちに工事を中断し、対話に応じてもらいたい」と改めて反対を表明。今回の敗訴確定後も「移設反対の立場はいささかも変わるものではない」と強弁している。

だが、普天間飛行場移設は、県民の安全な生活を実現する事業であることを忘れてはならない。米海兵隊のヘリコプターなどが使用する普天間飛行場は周辺に民家が密集しており、かねてその危険性や騒音問題が指摘されてきた。こうした状況を一刻も早く改善するため、国は米側とも協議の上、辺野古への移設を急いでいるのである。

移設に反対する玉城氏の姿勢は、普天間飛行場の危険性除去に抗(あらが)うものだと言わざるを得ない。高裁支部判決も、県側が工事の設計変更を承認しないのは、憲法が基本原理とする法の支配や法治主義の理念を著しく損なうばかりか、安全確保が早期に実現せず「甚だしく社会公共の利益を害する」と断じている。まさに至言である。

防衛強化で国と協力を

台湾を巡る緊張が高まる中、安全保障に関わる問題で国と対立を続ける玉城県政の姿は異常である。重い米軍基地負担を強いられている沖縄の立場を訴えることは重要だが、県民の安全を犠牲にする県政であってはならない。玉城氏には、司法の判断を真摯(しんし)に受け止め、基地行政や南西地域の防衛体制強化の取り組みで国と円滑な協力関係を築くよう努力してもらいたい。

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