【社説】日本とイタリア/連携強化で国際情勢に対応を

イタリアは2024年の先進7カ国(G7)の議長国を務める。国際情勢が混迷を深める中、23年議長国の日本はイタリアとの連携を強化して対応する必要がある。

G7サミット成功へ協力

岸田文雄首相は、来日したイタリアのメローニ首相と会談し、24年6月にイタリアで開催されるG7首脳会議(サミット)の成功に向けた協力を確認した。メローニ氏は、ウクライナ情勢を踏まえた国際秩序の維持や人工知能(AI)を主な議題とする意向を表明。議長国の引き継ぎについて「バトンを受け取り、優れた功績を残せるように努力したい」と述べた

両首脳は安全保障協力を深化させることでも一致した。24年にはイタリアの空母打撃群が初めて日本に寄港する予定だ。これまでに英国の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」が21年9月に初めて日本に来たほか、21年11月にはドイツのフリゲート艦がドイツ軍艦としては19年ぶりに日本に寄港。23年5月にはフランスの最新鋭フリゲート艦が日本を訪れるなど、欧州主要国がインド太平洋地域への関与強化策を打ち出している。

背景には、海洋進出を加速させる中国の動きがある。中国は東・南シナ海で力による一方的な現状変更の試みを続けているほか、「一つの中国」原則を声高に唱えて台湾海峡の緊張を高めている。

日本の同盟国であり、台湾との安保協力を維持する米国が、こうした中国の覇権主義的な動きに対応するのは当然だ。一方、日米両国や台湾と自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値観を共有する欧州主要国と連携を強化していくことも、中国を抑止する上で極めて重要だと言える。

イタリアはG7で唯一、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」に参加していた。しかし、メローニ政権は23年12月、中国側に離脱を通告。中国にとっては大きな打撃となった。

日本とイタリアは24年3月、外務・防衛当局の局長級協議を初めて開催する予定だ。日伊両国の関係強化が、中国への牽制(けんせい)につながることを期待したい。

首脳会談で両首脳は、英国を交えた3カ国の戦闘機共同開発の取り組みが進展していることを歓迎した。3カ国は22年12月、航空自衛隊のF2戦闘機の後継を開発・生産するとの共同首脳声明を発表。日本が防衛装備品で米国以外と共同開発を行うケースは初めてだ。

自民、公明両党は、3カ国の戦闘機開発計画を管理する政府間機関に関する条約案を了承。政府は24年2月中に国会に提出する方針だ。ただ公明党は、国際共同開発する防衛装備品の第三国移転に慎重な立場を崩していない。連立与党の公明党がこうした姿勢では、今後の共同開発に支障を来しかねない。

首相は公明を説得せよ

3カ国共同開発に向け、岸田首相は2月中に第三国移転について結論を出すよう自公両党に求めている。防衛装備品の輸出拡大は国内の防衛産業育成につながるほか、自由主義陣営の安保にも貢献できる。岸田首相は公明党に第三国移転を認めるよう自ら説得すべきだ。

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