【社説】能登半島地震 総力結集し支援加速させよ

石川県能登地方を中心とする最大震度7の地震による死者の数が7日午後2時現在で128人となった。195人が安否不明のままだ。停電や断水が依然続き、道路も寸断され支援物資の輸送も遅れている。官民の力を結集し在日米軍の力も借りて支援を加速させる必要がある。

雪で厳しい冷え込み

マグニチュード7・6を記録した令和6年能登半島地震は日本海側で起きた最大級の地震となった。地震による死者が100人を超えるのは、平成28年の熊本地震(273人)以来。石川県によると県内の約400の避難所に、約2万8000人が避難している。中には避難所に入りきれず、ビニールハウスに避難している人たちもいる。

能登半島では雪が降り、冷え込みが厳しくなっている。避難者を中心に低体温症など体調の悪化が懸念される。高齢者が多い地域だけに寒さ対策は万全を期したい。高齢者は何らかの持病を抱えている人が多い。手厚い医療支援が求められている。

被災地での災害関連死を防ぐことに全力を挙げるべきだ。熊本地震では死者273人のうち218人が災害関連死とされている。熊本地震は4月だったが、能登半島や北陸地方は今後、本格的な冬が到来し、雪や厳しい寒さに覆われる。

能登半島の地理的な特徴は細長く伸びていることだ。被害が最も深刻な輪島市や珠洲市は、奥能登と呼ばれる。中小の町や集落が点在しているが、それら地域をつなぐ道路が、至る所で陥没、隆起、あるいは土砂崩れで通行不能となっている。中には孤立状態の集落もある。

これら道路の復旧を急がねばならないが、急を要する物資の支援は、能登半島の地理的特徴や道路の被害状況を見ると、海上輸送、そしてヘリによる輸送が最も効果的だ。政府は在日米軍の力を借りるために、米側と調整に入り、米軍はその準備を整えていると伝えられる。自衛隊と米軍との連携による強力な輸送態勢をつくるべきだ。

被災地の困難の第一は、広い範囲で断水が続いていることだ。水不足が解消されない限り、通常の生活への復帰のめどは立ちようがない。飲料水は確保できても、その他の生活用水がなければ、衛生面の劣悪化が深刻化し、感染症が拡大する恐れがある。水道復旧のために、石川県の自治体は、全国の自治体、さらに民間の協力を求めるなど全力を挙げるべきだ。

今まで経験したことのない強い揺れで、古い民家を中心に多くの家屋が倒壊した。犠牲者の多くは、倒壊した家屋に閉じ込められた人たちだった。地震発生から124時間後、奇跡的に90歳の女性が救出されるということもあったが、多くの犠牲者はもっと早く救出されれば助かった可能性もある。

気象の変化も想定を

対応の遅れが被害を拡大させる。本格的な冬が到来すると、積雪で道路輸送も簡単ではなくなる。さらに何とか持ちこたえてきた家屋に被害が出ることも考えられる。また季節風が強くなり、海が時化(しけ)ることが多くなると海上輸送も困難になる。気象の変化も想定し、支援のスピードを上げなければならない。

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