【社説】能登半島地震 被災者の救助、支援に全力を

元日の夕方、石川県能登地方を大地震が襲った。多くの死傷者が出たほか、生き埋めとなっている人もいる。

余震が続く危険な状況ではあるが、自衛隊や警察・消防などは救助に全力を挙げてほしい。

石川県で初の震度7

この地震を受け、皇居で予定されていた新年一般参賀は中止となった。天皇、皇后両陛下は地震の被害に心を痛められ、人命の救助や消火活動などが一刻も早く進むことを願っておられるという。

地震では、石川県志賀町で震度7の揺れを観測した。石川県で震度7が観測されたのは初めてのことだ。気象庁によると、震源の深さは16㌔。地震の規模(マグニチュード)は7・6と推定される。気象庁は一時、能登地方に2011年の東日本大震災以来となる大津波警報を発令した。

火災が相次ぎ、輪島市では200棟ほどが焼けたという。このほか、断水や停電なども続いている。道路が寸断され、能登半島北部への立ち入りも困難な状況だ。復旧が急がれる。一方、停止中の北陸電力志賀原発(志賀町)では、外部電源の供給や使用済み燃料プールの冷却も続けられ、異常は見られない。

政府が開いた非常災害対策本部(本部長・岸田文雄首相)の会合で、首相は自衛隊と警察・消防に対して「救命救助は時間との勝負だ。部隊を最大限動員し、住民の安全確保を最優先に全力を尽くしてほしい」と指示した。地震などで生き埋めになった場合、被災から72時間が経過すると生存率が大幅に低下する。早期発見と救助に尽力しなければならない。

現地は寒さが厳しく、被災者が低体温症に陥ることも考えられる。食料や毛布、燃料などの支援を早急に進めるべきだ。能登地方ではあすにかけて雷を伴う雨が降り、風が強まるとの予報が出ている。余震も頻繁に発生しており、今後1週間程度は最大震度7程度の地震が起きる恐れがある。被災者はもちろん、救助に当たる自衛隊員や警察官、消防士らも土砂災害や建物の倒壊などに十分に警戒する必要がある。

被災者の多くは避難所で生活しているが、中には車中泊をする人もいる。車中泊で注意が必要なのは、狭い環境で長時間同じ姿勢を続けることで足の静脈に血栓が生じ、肺に詰まって呼吸困難などに陥る「エコノミークラス症候群」だ。

この症状は04年の新潟県中越地震で注目された。被災者を対象に毎年検診が行われているが、地震から20年近く経過した昨年の検診でも血栓が発見される人がいるなど影響は長期間に及ぶ。車中泊をする場合は、定期的に歩くなど足を動かすように心掛けたい。水分を十分に摂取することも求められる。

被災者の心身のケアを

これまでの自然災害では、避難の長期化によるストレスで持病が悪化して死亡するケースも見られた。

大地震に見舞われながらも助かった命が、その後の避難生活で失われることがあってはならない。政府や自治体は被災者の心身のケアもきめ細かく行ってほしい。

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