【社説】統一選前半戦 維新躍進が示す野党への期待

統一地方選挙の前半戦となる9知事選、41道府県議選、6政令市長選、17政令市議選が行われ、自民党、公明党の与党はおおむね安定した選挙結果を得たが、地域政党「大阪維新の会」と日本維新の会の候補が大きく躍進した。共産、社民は減退し、期待される野党像の輪郭が浮かび上がっている。

大阪、奈良で知事選勝利

41道府県議選で自民は1153議席を獲得。前回から5議席減らしたが過半数を維持し、公明党も全候補当選はならなかったが前回比3議席増の169議席を得ている。ただ自公で長期政権を運営する中で、前回の頂を越えなかった結果がピークアウトの曲線を描くことにならないか、懸念はあるだろう。

生活に密着した地方選を前に打ち出す少子化対策、教育費支援の拡大などは、重要なことだが新味に欠ける。岸田文雄首相は「引き続き気を引き締めて対応しなければならない」と自戒したが、一強体制を継続していく政権疲れは否めない。

特に今回の前半戦では、奈良県知事選で自民系の分裂選挙のマイナス要因もあったが、日本維新の会候補が隣接する大阪府知事・市長選挙での大阪維新の会候補と共に勝利し、自民にとって手痛い黒星となった。また都市部の有権者の投票行動を反映する17政令市議選では、自民が前回より35議席を減らす292議席にとどまり、維新(大阪維新を含む)は62議席増やす136議席となった。

一方、国政で野党第1党の立憲民主党も、道府県議選、政令市議選で議席は伸ばした。道府県議選では前回118議席から185議席に、政令市議選では99議席から112議席となったものの、インパクトに欠けるのは与野党一騎打ちの構図になった北海道知事選で与党側候補に敗れたからだ。また大分県知事選でも、参院選で立民など野党共闘で支援した無所属参院議員が鞍(くら)替えして自民党系無所属候補と争ったが及ばなかった。

維新は2知事選を制し、立民は2知事選で敗北し、与党へのチャレンジャーとしての明暗を分けている。特に維新は単独で2知事選を勝利したのに対し、立民は共産党、社民党などとの野党共闘で負けた違いに注目すべきだろう。

野党共闘における立民のパートナーである共産、社民とも厳しい結果になっている。道府県議選で共産は前回99議席から75議席に減り、社民は22議席から3議席に凋落(ちょうらく)した。政令市議選で社民は4議席と変わらなかったが、共産は前回115議席から93議席になった。イデオロギー色の強い社共との共闘は、立民の足枷(あしかせ)になる可能性がある。

昨年参院選後、立民と維新は国政で共闘関係を演じたが、今国会では憲法審査会への対応を巡り立民の泉健太代表が維新の馬場伸幸代表に対し「重馬場」発言をして関係が冷却化した。維新は立民との共闘を否定し、統一地方選に入った。

新たな枠組み模索を

端的にはイデオロギー野党はますます支持を失っている。大阪府・市政に実績を持ち、国政進出した維新の現実感覚に有権者の期待は移っている。新たな野党の枠組みを模索すべきだ。

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