【社説】日米首脳会談 世界の安定と繁栄に尽力を

ホワイトハウス内の渡り廊下をともに歩く岸田文雄首相(左)とバイデン米大統領(右)=13日、ワシントン(UPI)

岸田文雄首相はバイデン米大統領とホワイトハウスで首脳会談を行った。共同声明では、日本政府が保有を決めた反撃能力(敵基地攻撃能力)の効果的運用へ協力の強化を確認。台湾を巡る問題の平和的解決に触れ、中国の動向を牽制(けんせい)した。

台湾情勢のほか、ロシアによるウクライナ侵略や北朝鮮のミサイル発射などで地域と世界の安全が脅かされている。日米両国が同盟強化で一致したことは時宜にかなっている。

防衛力と経済安保を強化

首相は、防衛力強化が「同盟の抑止力・対処力を強める」と述べた。バイデン氏は日本の反撃能力保有決定などの取り組みを評価し、米製巡航ミサイル「トマホーク」の配備方針を支持する意向を示した。

共同声明は、中国が軍事的威圧を強める台湾に関して「海峡の平和と安定の維持」の重要性を指摘。平和的解決を促した。日米両国は中国を牽制するとともに、台湾との関係を強化し、中国の台湾侵攻を抑止しなければならない。

両首脳は経済安全保障の連携強化についても合意した。共同声明は、貿易相手国に圧力をかける中国やロシアを念頭に「自らの経済力を用いて他者を利用する全ての主体を非難する」と強調。半導体やエネルギーを含む重要物資の国際サプライチェーン(供給網)再編に向けて、日米が主導的な役割を果たすと明記した。

日米両政府は昨年7月、外務・経済閣僚による「日米経済政策協議委員会」(経済版2プラス2)の初会合で「ルールに基づく国際経済秩序」を再構築すると表明した。世界の安定と繁栄に向けた尽力が求められる。

首脳会談では、日米同盟が地域と世界の「公共財」であることが改めて示されたと言っていい。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、民主主義や法の支配といった価値観を共有する日米の役割はますます大きくなっている。

両首脳は今年5月に広島市で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)でG7の結束を図るための緊密な連携も確認した。民主主義国が集まるG7は、中国やロシア、北朝鮮などの権威主義国との対決姿勢を明示する必要がある。

日米両政府は首脳会談に先立ち、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)をワシントンで開催。宇宙空間について、米国の対日防衛義務を明記した日米安全保障条約第5条の適用対象とすることを新たに確認した。

また西村康稔経済産業相はレモンド米商務長官と会談し、経済安全保障の観点から、デジタル社会に欠かせない次世代半導体の早期実用化に向けた政府支援を強化することに加え、人工知能(AI)やバイオテクノロジー、量子関連を含む新興技術全般に協力分野を拡大していくことで合意した。日米間で重層的な対話がなされたことを評価したい。

憲法改正が不可欠だ

日米同盟は非常に重要だが、日本の防衛政策が米国に大きく依存するものであってはならない。日本が十分な防衛力を備えるには、憲法改正が不可欠だ。

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