【社説】COP27閉幕 最大排出国・中国の責任重い

エジプトのシャルムエルシェイクで開かれていた国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)は、地球温暖化で引き起こされる「損失と被害」に対応する途上国支援の基金創設で合意し閉幕した。先進国と途上国が温暖化対策で協力するための一歩として評価したい。

途上国支援へ基金創設

今年はパキスタンの大洪水、アフリカ各地での干ばつなど深刻な被害が相次いだ。温暖化による被害は、社会基盤が脆弱(ぜいじゃく)な途上国でより深刻だ。途上国側には温室効果ガスを大量に排出していないのに、高い代償を払わせられているという不満がある。歴史的にも温室ガスを排出してきた先進国側に、30年前から資金援助を求めてきた。

会期を延長し、援助を受ける対象国を「気候変動の影響に特に脆弱な途上国」に限定するなどして合意にこぎ着けた基金の創設は、30年来の途上国と先進国間のトゲを取り去る意味を持つ。ただ問題は、温室ガスの排出削減を進めることだ。あくまで削減に後ろ向きの途上国が今後、積極的に取り組むためのステップとすべきである。

基金の具体的な仕組みや資金源については今後、各地域などの代表者でつくる専門の委員会が検討し、来年、アラブ首長国連邦(UAE)で開催予定のCOP28で採択を目指す。当然、曲折が予想されるが、中でも世界最大の温室ガス排出国である中国の責任が問われる。

今回のCOPで中国は途上国と共に基金の創設を強く主張したが、そのための資金の負担には消極的であったと伝えられる。あまりに無責任で厚顔な態度と言わざるを得ない。

中国は産業化、工業化のスタートが欧米や日本などと比べ遅かったとはいえ、最大の排出国であるばかりでなく、今や世界第2位の経済大国である。基金への応分の資金負担は、大国として当然の責務である。

温室ガスの削減は、ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルス禍で足踏みしている。特にウクライナ侵攻では、石炭火力への回帰の動きも懸念されている。

成果文書「シャルムエルシェイク実施計画」では「地政学的状況などを理由に気候変動対策を後退させてはならない」との決意を表明。昨年のCOP26に続き、産業革命前からの世界の平均気温の上昇を「1・5度」に抑える努力目標や、排出抑制対策を講じていない石炭火力の「段階的削減」を明記した。

ただ温室ガスの排出削減強化に向けた作業計画については、排出量の多い中国などの新興国が削減目標の上積みにつながるとして反対し、目立った進展がなかったのは残念だ。国連環境計画(UNEP)によると、各国が現在掲げる温室ガス削減目標を達成しても「1・5度」目標には到底及ばないとみられている。排出削減の加速は待ったなしの課題である。

各国が応分の責任果たせ

温暖化の被害は地球規模であり、それぞれが自国のエゴを通し前進がなければ、結局、自分たちに降り掛かってくる。基金創設を踏み台に、先進国、新興国、途上国が協調し、応分の責任を果たしていくべきである。

spot_img
Google Translate »